「カンニング自殺」訴訟:東京高裁でも棄却

 埼玉県立所沢高校3年生だった男子生徒が2004年5月、テスト中にカンニングを疑われて教師5人から事情聴取を受け、その直後に自殺した事件がありました。自殺した生徒の保護者が損害賠償を求めて起こした民事訴訟で、東京高裁は7月30日、請求を棄却した一審さいたま地裁判決(2008年7月30日)を支持して保護者の控訴を棄却しました。

 一審判決からちょうど1年後の同じ日に高裁判決が出た形になりましたが、事実認定や教師の行動への評価について、一審判決をほぼ踏襲したものとなっているということです。自殺した生徒が「カンニングをしたと疑われても仕方がない状況にあった」と結論付け、教師5人が事情聴取をおこなった点についても「教育的見地から適切なものだったと認められる」と判断しました。
 当ブログでは一審さいたま地裁判決を受けて、2008年7月31日付で『「カンニング」執拗な追及で自殺、学校側に安全配慮義務違反なし:さいたま地裁』という記事を書いていました。1年前の記事でも以下のように指摘していました。

当ブログ2008/7/31『「カンニング」執拗な追及で自殺、学校側に安全配慮義務違反なし:さいたま地裁』より再掲
しかし重要なことは、事実関係がどうあれ、教諭5人がかりで長時間にわたって聴取をおこなう行為が妥当なのかということです。担任教諭もしくは当時テスト監督を担当していた教諭1人が事情聴取をおこなうのならまだしも、5人がかりでおこなうような必然性はあったのか、疑問に思います。仮に教諭側が意図していなくても生徒にとっては強い圧力として働いたことは容易に想像できます。

 高裁判決が出たといえども、この点についてはやはり疑問です。