中学校教科書でも「集団自決」記述後退

 中学校社会科歴史的分野の教科書で、沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に関する記述について、現行教科書(2006年版)は1997年度版より記述が後退していることがわかりました。「子どもと教科書全国ネット21」など5団体が7月30日に明らかにしました。

 発表によると、1997年版には5社6冊の教科書すべてに「集団自決」が掲載されていました。しかし2006年版では1社を除き、記述自体が削除されたり曖昧な表現に後退させられたりしているということです。
 「集団自決」については2006年実施の高校日本史教科書の検定で、文部科学省からの記述への介入があって大きな問題となりました。その一方で、中学校の現行教科書は、高校日本史教科書より2年前の2004年度に検定が実施されています。「子どもと教科書全国ネット21」などは、この時点で出版社の自主規制が働いたと分析しているということです。

 俵氏(※「子どもと教科書全国ネット21」・俵義文事務局長)は「97年版の教科書は事実に基づいた記述が行われていた。『新しい歴史教科書をつくる会』が戦争を美化した教科書を執筆するなど沖縄戦の事実を改ざんしようという流れがある中で出版社の自主規制で記述が変えられた」と指摘した。(琉球新報2009/7/31『「集団自決」の記述後退 06年版中学教科書』)

 折しも新学習指導要領実施を控えて、教科書会社は教科書の改訂作業に着手し始めています。「つくる会」など右派の動きもありますが、歴史的事実をきちんと教科書の記述に反映させていくことが重要になってきます。