森友学園問題:大阪府の「開校ありき」の認可審査の背景には何が?

 森友学園の問題は、国有地売却の問題と並んで、「大阪府による認可審査が「開校ありき」で進んでいた実態が明らかになってきた」(毎日新聞2017年3月5日『森友学園 関門、巧みに通り抜け 崩さぬ「適正算定」』)という点が重要な論点となっている。

 大阪市の学校法人「森友学園」が小学校建設用地として取得した大阪府豊中市の国有地を巡る問題は、国有地売却価格の不自然な減額の謎がいまだ解明されていない。一方で、大阪府による認可審査が「開校ありき」で進んでいた実態が明らかになってきた。なぜ学園は、関門を巧みにくぐり抜けてこられたのか。国会論戦でも引き続き大きな焦点となっ...

 大阪府の認可審査の不自然さを解明することが、森友学園問題の解明へのカギになるのではないかと考えられる。国政案件と同時に、大阪府政案件であるともいえる。

 大阪府による認可審査の不自然さと国有地売却は、一見すると別個の問題にも見えるが、実際は密接につながっているとみられる。むしろ大阪府の認可問題が、国有地問題の引き金を引いた形になっている。

 森友学園は2014年10月に新設小学校「瑞穂の國記念小學院」設置認可申請を大阪府私学審議会に提出したが、この時点では問題の校地は国と交渉中で、校地が確保されていることが前提になっている新設申請の審査基準を満たさない。

 森友学園側によると「国から確実に貸せるといわれたから申請に踏み切った」と主張している。また大阪府私学審議会の事務局にあたる大阪府私学課は、近畿財務局と打ち合わせをおこなったうえで、「確実に土地の賃貸契約が結ばれる」「大阪府私学審議会での認可適当答申を受けて正式に土地貸し付けを承認する」ということになった。

 大阪府私学審議会では、出席した委員の大半から、学校運営について疑問視する意見が出された。しかし議事録の内容とは矛盾する形で、2015年1月に条件付きながら「認可適当」答申という不自然なことになった。答申は事務方が主導し、背景には大阪府政関連の政治的動きがあるのではないかと疑うのが自然ではないか。

 背景にはどのような政治的な流れがあるのかは、これから解明する課題ではある。しかし客観的な事実として、森友学園・塚本幼稚園側と、維新の複数の大阪府関係の議員に、接点があったことが判明している。

 維新結成前になるが、2008年7月には辻淳子大阪市議(西成区選出)が鴻池祥肇参議院議員とともに、森友学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)で「教育再生百人の会」として講演をおこなっている。

 村上栄二元大阪市議(東淀川区選出、2011年~15年・1期務めて2016年広島県福山市長選挙に転身し落選)は市会議員在任中、塚本幼稚園を何度も視察している。2012年には、塚本幼稚園に隣接し幼稚園がしばしばグランド代わりに使用している公園について、町会から市に公園整備の要望があったのが気に入らないと激怒(※かねてから幼稚園の公園使用の方法で、町会・地域住民が幼稚園に苦情を寄せていたなどのトラブルが起きていた)、市担当者を恫喝するような対応をおこなっている。

 1度目の私学審で「保留・継続審査」とされた直後の2014年12月には、共通の知人(「教育再生首長会議」に属する松浦正人・山口県防府市長)を介して、森友学園の籠池泰典理事長が中川隆弘大阪府議(豊中市選出)に面会、両氏はそれまで面識はなかったものの、籠池氏は中川府議に対して、学校認可への協力を求めたという。

 元維新だが現在は維新と対立している上西小百合衆議院議員は、維新在籍当時に、維新上層部から塚本幼稚園の視察と、ブログなどを通じての幼稚園の宣伝を求められたと訴えている。上西氏は2013年12月に塚本幼稚園を視察し維新本部に報告書を提出したが、教育方針に異様さを感じてブログでの宣伝は見送ったとしている。

 上記の内容はいずれも、新聞記事や関係者自身が公開しているウェブサイトなどから確認できる事実関係である。

 また森友学園は、小学校設置認可申請以前の段階でも、系列の幼稚園や保育所でのトラブルが多数指摘されている。そのような学園が、2011年には大阪府に小学校設置基準の緩和を求める、2014年には府への学校認可申請、そして国の土地問題、いずれも結果的には要望通りになっているのも異例極まりない。

 森友学園問題は多くの論点に飛び火しているが、いずれも極めて謎が多いものとなっている。その中でも核心となる論点の一つとなっている大阪府の「開校ありき」での認可問題、この不自然さの解明も求められる。