休園中の系列幼稚園で副園長の暴力事件?:森友学園問題

 学校法人森友学園の問題では、小学校の新設認可に際して「系列の幼稚園が休園となっているのに、新設小学校の資金は厳しいのではないか」という指摘もされているという。

 「日刊ゲンダイ」2017年3月5日付が、「系列幼稚園の休園のきっかけは、近隣の小学生とのトラブル」と報じている。

 傘下の幼稚園や保育園での保護者とのトラブルや園児「虐待」疑惑が次々と発覚。森友学園の籠池泰典理事長夫妻は、教育者...

 森友学園は塚本幼稚園(大阪市淀川区)のほか、系列の学校法人として大阪市住之江区・南港ポートタウンで「南港さくら幼稚園」を経営していた。籠池諄子氏は、塚本幼稚園副園長と南港さくら幼稚園副園長を兼任していた。

 事件は2010年頃に起きたとみられる。「日刊ゲンダイ」の記事によると、当時塚本幼稚園に子どもを通わせていた保護者の話として、「2010年末、籠池諄子氏が塚本幼稚園にしばらく姿を見せなかった。久しぶりに姿を見せたときに『南港さくら幼稚園で、近所の小学生に注意したら、逆に歯向かってきた。そのことで小学生の親とトラブルになった』『こっちはしつけでやったのに、アホな親や』などと話していたのを聞いた」とする趣旨が掲載されている。

 日刊ゲンダイに掲載されている事実経過は、籠池諄子氏の言い分を聞いたという内容をまとめたものであろう。籠池サイドにとって都合が悪い事実関係が伏せられている形になっている。

 インターネット上では、もっと詳細で生々しい告発がされていた。ネットサイトによると、籠池諄子氏による小学生への暴力事件の事実経過の概要は以下の通りだという。

  • ある日の朝の登校中、遅刻しそうになって急いでいた近所の小学生が、幼稚園の前を通りかかった。その際に門前に立っていた籠池諄子氏に「おはよう」と声をかけられた。
  • 小学生はあいさつを返したが、声が聞こえなかったのか籠池氏は激怒し、小学生の前に立ちはだかって「あいさつしないとはどういうことや!」などと怒鳴りながらつかみかかった。
  • 驚いた小学生は、怖くなって逃げようとした。しかしその際に籠池氏の足を誤って踏んでしまった。それに逆上した籠池氏は、小学生に対して顔が腫れるまで平手打ちを加えた。
  • 小学生の父親が幼稚園に抗議すると、出てきた籠池泰典氏は「どついて何が悪い!これが園の方針なんじゃ!」などと開き直った。
  • 被害者側は籠池諄子氏を傷害罪で刑事告訴した。籠池氏は出頭命令を無視し続け、半月間の拘留処分となった。
  • 裁判が始まると、学園サイドは弁護士を多数つけ、また傍聴席も学園側の傍聴者を動員して圧力をかけ続けた。

 こんなもの、籠池夫妻が言うような「しつけ」とは無縁のものである。一方的な勘違いで子どもに言いがかりをつけて殴りつけたという暴行傷害事件でしかない。

 南港さくら幼稚園では、この事件のほかにも多くのトラブルが続き、近隣で悪評が広まって園児が激減したという。トラブル後に「開成幼稚園幼児教育学園」と改称したものの、2014年以降休園状態になっている。

 南港さくら幼稚園の問題にしても、塚本幼稚園や高等森友学園保育園での虐待や保護者トラブルなどにしても、籠池夫妻が運営に関与する施設での不適切行為について、大阪府や大阪市の担当部署が苦情を把握していなかったとは考えにくい。

 しかも南港さくら幼稚園での問題は、森友学園側が小学校設置構想を伝える前にもあたる。

 また2006年7月の時点で、塚本幼稚園や南港さくら幼稚園での「教育勅語」が共同通信で報じられている。当時大きく報道され、文科省は「不適切」とする見解を出している。

教育勅語を園児に暗唱させる:大阪の幼稚園
 「共同通信」7月1日付によると、大阪市淀川区の私立塚本幼稚園と、大阪市住之江区の私立南港さくら幼稚園で、年長組の園児約120人に教育勅語を...

 2000年代後半の時点で、いわば要注意経営者ということにもなっている。このような人物がなぜ、小学校新設に際して、国や大阪府に自分たちの意向を反映することができたのか。資金面・特異な教育方針・トラブルが続発している人物という、どの角度からみても不思議である。その謎を解明することが、事件全容解明のヒントになるのではないか。