森友学園問題:学校設置認可求める要請が出される

 森友学園が大阪府豊中市に開設予定の「瑞穂の國記念小學院」の設置認可をめぐり、塚本幼稚園の保護者など同小学校に子どもを進学させる予定の保護者ら十数人が3月3日、大阪府庁を訪れ、大阪府私学審議会に対して学校の認可を求める要請をおこなったた。

 要請をおこなった保護者らは「一般国民らからの不認可の要望等を不当に考慮し、不認可となった場合、義務教育の第一歩でつまずくことになる」などとし、代わりの小学校も現時点では見当たらないと主張した。

 入学予定の児童には何の非もないことは前提としても、今回の問題は大阪府と森友学園の不適切な対応に端を発している。

 学園側が2011年に大阪府の私学設置要件を緩和するよう要望し、それを受けて大阪府が基準を改正して設置認可申請を出せるようになった。大阪府私学審議会では資金面の問題で不安が指摘された。また校地についても、自己所有・または借地の確保が認可答申の条件なのに、まだ正式契約していない段階で確保できていない時点で国・大阪府・学園の間で「取得見込み間違いなし」という内諾で話を進めた。極端な教育方針も不安視された。本来ならば不認可相当のものにもかかわらず、事務方の主導で2015年1月に「認可適当」答申が出された。

 通常の場合は「認可適当」答申が出されれば、そのまま追認するだけの場合が圧倒的に多い。しかし答申の前提が揺らいでいることになる。

 資金面だけで考えても、仮に認可して開校したとしても、早々に資金がショートして学校が潰れ、地元の公立小学校など新しいところへの転校は避けられないのではないか。

 しかも、土地取引をめぐる不正疑惑や、教育勅語・特定政治家賛美・民族差別的なヘイトなど「私学の独自性」ではすまないレベルで教育基本法から逸脱しているような特異な主張に基づく教育をおこなおうとしていることなども加味すると、余計に認可できないし、認可させてはいけないのではないか。

 松井一郎大阪府知事は「専門家である私学審の委員が判断した」と、私学審に責任を押しつけようとする見解を繰り返している。しかし私学審の委員の専門的な見地からくる危惧をひっくり返してまで事務方が強引な対応をしたことは、背景に政治的な意向が働いたとみるのが自然ではないか。

 実際、森友学園の籠池泰典理事長は、共通の知人(日本教育再生機構につながる「教育再生首長会議」会長でもある松浦正人・山口県防府市長)を介して大阪維新の会・中川隆弘大阪府議に2014年12月頃に面会し、学校認可の件について相談をおこなっていることが判明している。2012年の私学設置要件の緩和も、2011年に学園側の要望を受けた橋下徹知事と、その後2011年11月に交代した松井知事の意向が働いていたのではないかと推測される。

 学校については、開校予定とされた2017年4月までは1ヶ月しかない。認可には賛同するものではないが、1日も早く結論を出さなければ、子ども・保護者や、受け入れ先となる地元の公立小学校・教育委員会を振り回すことになる。

 このようなことになったのは、大阪府、そしてその背景にいる政治勢力が、余計なことをしたからではないか。2015年1月の私学審「認可適当答申」に至る背景こそが問われなければならない。

(参考)
◎森友学園の小学校「早く許可を」 大阪府に保護者ら要望(朝日新聞 2017/3/4)

スポンサードリンク