生徒へのわいせつ行為、訴訟で認定され懲戒免職:福井県

 福井県教育委員会は7月24日、「十数年前、当時勤務していた中学校に在籍していた生徒にわいせつ行為を繰り返したことが、生徒側が起こした訴訟で認定され確定した」として、県内の公立学校の勤務していた男性教諭(40代)を懲戒免職処分にしました。

 福井県教育委員会は例によって、「生徒の要望」を口実に、教諭の氏名などは一切公表していません。
 生徒の親が2003年に福井県教育委員会に訴え、事件が発覚しました。しかし教育委員会の調査に対して、該当教諭は事実関係を否定したということです。そのため当時は該当教諭を処分できませんでした。
 刑事事件としては時効になっていたので刑事では問えませんでしたが、被害者は「精神的苦痛を受けた」として2005年に民事訴訟を起こしました。教諭は訴訟でもわいせつ行為を全面否定しましたが、教諭のわいせつ行為を認定した判決が2009年1月に確定したということです。
 判決確定を受け、処分に踏み切りました。
 このような事件は決して特殊なケースではありません。全国的にみれば、似たような事件も各地で起こっています。
 例えば、わいせつ行為だけでなく暴行との複合事件になりますが、似たような例としては大阪市立住吉第一中学校剣道部顧問の暴力・セクハラ事件があります。これも1990年代に発生し、2004年に発覚しました。加害者本人は暴力やわいせつの事実関係を全面否定し、大阪市も処分できませんでした。被害者が起こした民事訴訟では教諭の行為が認定され、2008年に判決が確定しました。大阪市は判決確定後、加害者を実名公表の上で懲戒免職にし市が被害者に支払った賠償金相当額を加害者に求償しています。
 事実関係が明らかでも、加害者本人が否定し続ければ「証拠がない」とばかりに加害者が逃げ切り、その結果処分できなかったというのは、今回の懲戒免職の例でも他の事件でも共通しています。これでは被害者は救われません。裁判にまで訴えて判決が確定し、やっと事実関係が認められるというのも、長い道のりであり、被害者の精神的・経済的負担は想像を絶するものになります。
 また教諭の氏名を非公表にするのもおかしなことです。こういう事件では、積極的に実名を公表すべきなのではないでしょうか。