大阪府の私学設置認可基準緩和:2011年に要望受けた?

 森友学園の問題に関連して、大阪府が2012年度より私立小中学校設置認可基準を緩和したことが指摘されている。

 毎日新聞2017年2月28日付『森友学園 国有地問題 小学校認可基準、要望で緩和 大阪府「借入金で開校」容認』が、「2011年頃に学園側から、認可基準緩和要望があった」と指摘している。

 記事によると、私立小学校の開設に際して、従来は幼稚園を単独で運営する学校法人が借入金をあてることを、大阪府は認めていなかった。学校の安定運営のために資金不安があってはいけないとする見地からの基準だった。

 しかし、森友学園の籠池泰典理事長が2011年頃、大阪府私学課に対して、この基準の見直しを要望した。大阪府は2012年に基準の見直しを実施し、森友学園は2014年10月に「瑞穂の國記念小學院」の設置認可申請を出している。

 大阪府私学審議会では「瑞穂の國記念小學院」の財務状況について懸念する意見が相次いだ。一度継続審議にしたのち、引き続き不安が解消されない状態にもかかわらず2015年1月に条件付きながらも「認可適当」とする答申を大阪府知事宛に出した。

 認可は2017年3月の開校直前の時点で判断することになっているが、2017年2月におこなわれた大阪府私学審議会でも、財務状況に対する懸念が解消されず、引き続き指摘される状況になっている。

 このような事件が起きた背景には、2011年から2012年にかけての大阪府の政治的な動きもカギになってくるのではないか。

 大阪府では2016年以降は組織再編により、私学行政は教育長に権限委譲されているが、それ以前は知事の担当だった。

 籠池氏が要望をおこなった2011年といえば、10月31日までは橋下徹氏が大阪府知事だった。橋下氏は同年10月31日付で大阪市長選挙への転身のために辞職し、同年11月27日に大阪府知事選挙・大阪市長選挙のW選挙が実施された。大阪府知事選挙では橋下路線を受け継ぐ松井一郎氏が当選し、以降は松井氏が知事を務めている。橋下徹・松井一郎の両氏とも、大阪維新の会の首長である。

 基準緩和に関する松井知事の対応が不審なのはいうまでもない。同時に、籠池氏の要望が具体的に2011年のどの段階だったかにもよるが、仮に10月までに要望したとすれば、橋下徹前知事の影響の可能性も捨てきれないことになる。