奈良・下市町就学問題:中学校への正式就学決定

 奈良県下市町の車いす生徒の中学校就学問題で、下市町と町教育委員会は7月21日、生徒への正式な就学通知書を発行・交付しました。

 生徒側が同日、記者会見して明らかにしました。また「正式な就学通知書をもらったので、裁判を続ける必要はなくなった」として、同日付で中学校就学を求めた訴訟を取り下げたことも明らかにしました。
 この問題は、地域の小学校に通っていた生徒が「卒業後は校区の町立中学校に進学したい」と希望したところ、町の就学委員会が「設備面に問題がある」などと判断して養護学校への就学が妥当としたことに始まります。
 地元中学校への就学を強く希望した生徒側は町教委と話し合いを重ねてきましたが、中学校の入学式までに結論は出ず、2009年4月に就学を求める訴訟を起こしました。2009年6月26日には奈良地裁で、就学を認める「仮の義務づけ」がおこなわれ、2009年7月より通学できるようになりました。下市町と教育委員会は「仮の義務づけ」に対する即時抗告をおこないましたが、7月16日に取り下げを発表し、翌7月17日付で取り下げています。
 今回正式に就学通知書が交付されたということで、法的な面では完全に解決したことになります。紆余曲折はあったとはいえども、生徒側にとっては結果的に望ましい形での決着だったのではないかといえます。
 またこの問題は直接的には生徒個人の就学問題ですが、もっと広い視点でみると身体障害者の受け入れ体制や学校のバリアフリー整備の問題など、全国各地の学校教育に対しての問題提起だともいえるのではないでしょうか。