大阪府知事、小学校認可認めない可能性に言及:森友学園問題

 学校法人森友学園が大阪府豊中市に設置を計画している私立小学校「瑞穂の國記念小學院」について、松井一郎大阪府知事は2月25日、「財務省が優遇しているなら大問題だし、安定した経営ができないなら認めるわけにいかないというのが(認可を判断する)府教育庁の立場だ」などとして、認可を認めない可能性について言及した。

 この問題では、2015年1月の大阪府私学審議会で、学校法人が十分な経営資金を有していないこと、教育課程や教育方針にも不安が指摘されたことなど、委員から懸念の声が強くあげられたにもかかわらず、事務方の主導で条件付きながらも「認可適当」答申が出されたことが指摘されている。

 新設小学校の校地の問題については、当時森友学園と国との間で交渉中で、私学審の「認可相当」答申を前提にして、2015年2月の国有財産近畿地方審議会で土地賃借契約の方針を正式に承認すると、私学審の席上で大阪府が説明していた。

 森友学園側は「国有財産審議会にかければほぼ必ず通る」と財務省から聞いたとして、2014年10月に大阪府私学審議会に対して学校設置認可申請を出した。また大阪府私学審議会の事務局を担当する大阪府私学課も、事前に財務省近畿財務局と打ち合わせをおこなった結果、土地が確実に賃貸契約される見通しになったとして、私学審の会議でそのような説明をおこなっている。

 一方で政府側は、「国有財産近畿地方審議会より前には、確実に貸せるという内諾を伝えたことはない」と食い違った見解を示し、国会答弁でもそのように述べている。

 松井一郎大阪府知事は、この問題が発覚したあとは、「認可は大阪府教育長の権限。大阪府では2016年度に組織改編により教育長に権限委譲した」「教育の専門家である私学審の委員が判断すること」として、自身の直接の責任はないとする考えを示していた。

 一方で2月25日の発言は、自身の権限がないはずのことについて、不認可を言及したという自己矛盾ということにもなる。

 まず、大阪府が2016年4月1日付の組織改編により、知事部局だった私学行政(私学課)を教育委員会事務局と統合して「教育庁」に再編し、教育庁のトップとなる教育長に権限委譲したことは事実である。

 その一方で、私学審の答申が出た2015年1月時点では、知事の管轄ということでもある。私学審は知事の諮問機関と位置づけられている。

 また現在の大阪府教育長は2015年4月1日に就任した。就任と同日の4月1日付で法改正がおこなわれ、新教育長制度が発足している。現大阪府教育長も2015年3月の時点で新制度を適用して任命されている。新制度では、首長が直接教育長候補者を指名し、議会の同意を経て任命する形に改められている(旧制度では首長が直接教育長を指名できず、教育委員の互選で選出)。

 さらに、大阪府は2012年に私立学校の認可基準を緩和している。新基準の元で参入しようとしたのは森友学園のみであり、便宜を図った疑惑も指摘されている。

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 これについては、松井知事はツイッターで「新規参入を促し競争による質向上を目指して高いハードルを他府県並に引き下げたまでです」と見解を述べた。しかし基準緩和については、「少子化で公立学校の統廃合が検討される状況にもなっているもと、新規参入など困難なのになぜ?」という疑問が出されている。

 また森友学園では、松井知事や橋下徹前大阪市長など維新に好意的な、政治的内容と受け取れる内容を記した文書を保護者に配布した疑惑が指摘されている。また2012年2月には、森友学園が経営する幼稚園に関連して、幼稚園隣接の公園での幼稚園と地元町会とのトラブルに対して、維新の村上栄二大阪市議(当時)が幼稚園側の立場で大阪市の担当者に面会して恫喝し、その内容を自らブログに記載していた。

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 いずれにしても、いくら松井大阪府知事が教育長や私学審に責任をなすりつけようとしても、知事の責任は逃れられないということになる。

 土地の問題だけでなく、教育課程や経営状況など問題が指摘されたうえ、相変わらず不安が指摘されている状況では、認可できないのは当然ではある。しかしこの問題は、「認可しなかったからそれで終わり」というわけにはいかない。

 2015年当時の不透明な「認可適当」答申が、国の一連の疑惑を前に進めた大きなきっかけの一つともなっている。松井知事や大阪府の担当者の動きもていねいに解明されるべきではないか。

(参考)
◎松井知事、不認可の可能性に言及 大阪・豊中、森友学園の小学校(共同通信 2017/2/25)

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