森友学園国有地取引問題:テレビ東京が放送

 大阪府豊中市の私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の新設開校にあたり、国有地が不当に安い価格で、同校を運営する学校法人森友学園に売却されていたとされる問題。

 テレビ東京で2017年2月17日に『“愛国”学校ができるまで 名誉校長は安倍総理夫人』とする特集が放送され、ネットでは動画(約7分)も視聴できる。

 この問題は国有地の不明朗な取引が軸ではある。一方で国有地取引との因果関係は現時点では定かではないものの、国有地問題とは別個の事実として、当該学園が開設している塚本幼稚園(大阪市淀川区)では教育勅語暗唱などの特異な教育方針がありその方針を土台にして小学校を設置していること、また安倍晋三首相の妻・安倍昭恵氏が新設の小学校の名誉校長に就任していることなど指摘されている。

 映像では、塚本幼稚園で園児が教育勅語を暗唱するシーンから始まる。塚本幼稚園が母体となって建設する小学校について2015年に「普通の学校で教育を受けると、ここ(塚本幼稚園)で芯ができたものが揺らいでしまう」「日本を誇りに思える子どもたちがたくさん育ってほしい」と講演する安倍昭恵氏や、小学校建設の地鎮祭で「教育勅語の御教えを受け継ぎ日本人として誇りを持ち養い育てる」とする祝詞が述べられた様子が映っている。

 映像ではこれらの一連の背景を紹介した上で、疑惑が浮かび上がっているとして土地取引問題が紹介される。

 土地取引価格が非公開になっていたとして、市民団体が情報開示請求を求めたことが紹介されている。また瑞穂の國記念小學院の土地は約1億3400万円だが、道路を挟んで東側に隣接する豊中市の公園用地は学校用地よりも少し広いだけにもかかわらず14億2300万円で国から購入し、価格に10倍の大きな開きがあることにも触れている。

 豊中市は公園用地を購入する際、現在学校用地になっている土地もあわせて国から購入したいという意向を持っていたが、価格面がネックとなって東側しか買えなかったという。

 映像では、登記簿を読み解いた結果、学園側は1億3400万円の土地代金を10年間の分割払いの契約とし、頭金2700万円しか支払っていないのではないかと指摘している。これは国の土地取引としては、異例の契約ということにもなる。

 地元の不動産業者への取材映像も紹介されている。業者はテレビ局側から見せられた資料を読んで、驚いた様子で「こんなこと聞いたことない」「おかしいな。これは、なんかあるのとちがうかな」と話している。

 これらのことについて、学校法人森友学園の籠池泰典理事長と代理人弁護士が、反論の取材に応じている映像が紹介されている。

土地について
――「国から言われた価格で購入した」(弁護士)

土地価格情報公開請求の提訴について
――「びっくりしました。何の目的で?と」「我々の学校が豊中市にできないようにしたいのかということがひとつで、もうひとつは、安倍政権に対する、なんと言うんですか、いちゃもんつけがあるんじゃないかなと思いました」(籠池理事長)

隣接の公園用地の10分の1の格安価格で購入したことについて
――「豊中市がそんな高い値段で買った事自体がチョンボ(=失敗・ミス)だと思う」(弁護士)

 映像は学校法人側のインタビューの後に、まとめの文言を入れて終わっている。

 学校側は「国から提示されただけ」と格安疑惑を明確に否定している。

 一方で国の側も、代金を格安にした根拠については、説明らしきものをしているものの、その説明によって新たな疑問点が出るという形になっている。

 映像での、土地情報価格情報公開請求の提訴に対する、籠池理事長の回答に注目したい。土地価格の情報公開請求については、売買価格情報公開が原則となっている国有地取引について、この件だけ非公開になっているのはおかしいというのが発端である。誰が関係者であっても問題になりうる話であり、この学校法人が教育勅語に基づく極右教育をおこなっているとか、関係者が安倍政権を支持しているとか、そういう話とは全く性質が異なるものである。しかし理事長は「学校への妨害」「安倍政権に対するいちゃもん」とそういう話を自ら持ち出した形になっている。これは、何を意味するのだろうか。