「安倍晋三記念小学校」名称を一度内諾:森友学園の背景に政界人脈?

 大阪府の私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の新設開校に関連して、同校を運営する学校法人森友学園が国有地を実質無償に近い破格の安さで国から安く譲り受けたことが指摘されている。

 森友学園の問題については、土地取引の問題に加えて、同法人が運営する塚本幼稚園では教育勅語暗唱などの極右的な教育がおこなわれていること、塚本幼稚園で園児虐待・保護者への威嚇・ヘイトなどの不適切行為があった疑惑、大阪府が「瑞穂の國記念小學院」を設置認可した際に学校の会計などへの疑問が出されたのに認可した不審さなど、多方面から疑問が指摘されている。

 「瑞穂の國記念小學院」という校名が決まる前、学校法人が「安倍晋三記念小学校」として寄付金を集めていたとも、一部で指摘されていた。

 週刊文春2017年2月23日号(2月16日発売)が、籠池泰典理事長本人への取材も含めて、「国有地を10分の1で払い下げ 安倍晋三学校 校長の政界人脈」の記事を出している(137・138ページ)。

 土地取引に関する事実関係や疑問を軸にしながら、政界人脈が背景にあるのではと触れている。

 これによると、籠池理事長本人は「安倍晋三記念小学校」の名称について、「野党議員だった頃に内諾を得ていたが、その後首相になったことで辞退の申し出があった」「安倍総理は政治家というより偉人」という趣旨を述べている。「安倍晋三記念小学校」の名前はあまりにも強烈すぎて、さすがに冗談かもしれないと感じたが、理事長本人が事実だと認めていることになる。

 最終的には実現しなかったとはいえ、一度は検討された学校名そのものは、名前のインパクトがありすぎるというだけで、事件全容の中ではどちらかというと枝葉末節かもしれない。一方で、このような学校名を検討していた背景については、重要だといえる。

 籠池理事長は「日本会議」の大阪の有力者で、稲田朋美防衛相や平沼赳夫氏など超タカ派系政治家との交流があると指摘している。稲田防衛相は籠池氏との交流について「答える立場にはない」とコメントした。

 また安倍首相本人は塚本幼稚園に来たことはない(一度講演の予定があったが政治情勢の急変で中止となり実現せず)ものの、安倍首相の妻・安倍昭恵氏が4回ほど園を訪問し、教育勅語暗唱などの教育方針に感銘していると指摘している。安倍昭恵氏は、問題の土地に建設中の「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任している。

 安倍昭恵氏は文春の記事に、「塚本幼稚園訪問の際に、教育方針に感銘を受けた」「土地取引の経緯は知らなかった」と述べた。

 国や大阪府の不可解な対応と、理事長の人脈との間に因果関係があるかについては、現時点でははっきりとはしない。しかし少なくとも、不明朗な土地取引をはじめとした、学校法人森友学園・塚本幼稚園・瑞穂の國記念小學院をめぐる数々の問題は、政治的背景などを抜きにしても、それだけで重大な問題だといえる。

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