国有地売却問題:学校法人側が見解示す

 大阪府豊中市野田町にあった国有地が、2017年4月開校予定の私立小学校「瑞穂の國記念小學院」を運営する学校法人森友学園に、隣接地の10分の1程度の価格で売却され、財務省が売却価格を非公開にしていた問題に関連して、学校法人森友学園の籠池泰典理事長が2月13日、代理人弁護士とともにマスコミ取材に応じた。

 問題の土地は、この付近の上空を離着陸ルートとする大阪国際空港(伊丹空港)の騒音対策の補償として大阪航空局が買い上げた経緯があり、約8800平方メートルある。

 2016年6月に財務省から森友学園への売却が成立した。国有地の売却に関しては金額公開が原則になっているが、この土地に関しては売却価格は非公開となっていた。

 豊中市議や朝日新聞が文書の情報公開請求をかけたものの、金額は黒塗りとなった。当該の豊中市議は開示を求める訴訟を2017年2月8日付で提訴した。また朝日新聞は独自取材をおこない「登記簿の買い戻し特約条項から、売却額は1億3400万円と推定される。隣接の土地は豊中市に公園用地として約14億円で売却した。平米単価では学校法人への売却額は約10分の1の計算になるが、異常に安い。当該の土地は、過去に別の学校法人が購入を希望して交渉していたが、7億円前後での購入を提示したら国から安すぎるといわれて断念した」とする記事を、2017年2月9日付で出した。

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 これらの報道を背景に、国は2月10日、これまでの非開示の態度を一転させ、国会議員への説明の中で「売却価格は1億3400万円」と認める資料を出した。土地の時価は9億5600万円と算定したものの、土地の地下に生活ゴミなどが埋まっていることがわかり、処理費用約8億円や工事遅延に伴う損害分を差し引き、1億3400万円で売却したとしている。一方でこの説明によって、処理費用の算出方法など新たな疑問が出ることになった。

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 籠池理事長や代理人弁護士はこれらの経緯について、見解を述べている。

 購入価格については「国から提示された。妥当な金額だったと思う」(理事長)、「鑑定価格の14%とは知らなかった。法人側から国への働きかけはない」(弁護士)とした。

 売却額が非公開になっていたことについては、理事長は以下のように話した。

 国有財産を売却してもらったことは初めてのことですから。「自分の家をなんぼで売った」なんて話はしないでしょ――そういう感覚で、「公開しますか、非開示にしますか」と言われたときに、「非開示でお願いします」といった。このことにつきますね。

(NHKニュース2017/2/13『国有地売却 価格は国が示した』のインタビューより)

 また「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に安倍晋三首相の妻・安倍昭恵氏が就任していることについては、「愛国心豊かな児童を育てる小学校の教育方針を実現するために就任していただいた」「土地取引とは無関係」とした。

 小学校の教育方針と土地取引との関係は不明な点が多いのでひとまず保留するとしても、土地取引そのものが不明朗なものであることには変わりがない。

 理事長側が取材に応じても、疑問は深まるばかりである。

(参考)
◎国有地売却 価格は国が示した(NHKニュース2017/2/13)