「新設私立小学校に元国有地売却」財務省が価格公開、しかし新たな疑問も

 大阪府豊中市の元国有地が、2017年度開校予定の私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の母体となる「学校法人森友学園」に売却されたが、売却価格が非公開にされ、周辺の土地と比較して大幅に安く売却されていたのではないかとマスコミ報道で指摘された問題。

 財務省は2月10日に、国会議員に対して説明をおこない、土地の売却価格は1億3400万円だったことを公式に認めた。

 土地の価格は時価で約9億5600万円としたが、土地の地下に生活ゴミなどの埋設物があったとして、その除去費用を約8億1900万円と見積もり、除去費相当額を差し引いた額で売却したと主張している。

 また、入学児童・保護者への風評被害を懸念した学校側の申し入れで、売却価格を非公表にしたとしている。

 しかしこの公表によって、新たな疑問が出たことになる。

 問題の土地については、国土交通省の「第116回国有財産近畿地方審議会」(2010年2月22日)の議事録や、各種報道を参考にすると、以下のような経緯をたどっているという。

  • この地域は大阪国際空港(伊丹空港)に近接する。空港を離発着する航空機の騒音対策の補償として、離着陸経路付近の土地を大阪航空局が買い上げていた。買い上げの補償土地は各地に点在していたが、換地で豊中市野田町に集約した。
  • この付近は1960年代頃からは住宅密集地で、現在問題になっている土地の付近には民家が建ち並んでいた。
  • 豊中市は付近の防災面などを懸念し、1994年から野田町の問題の土地付近で都市計画に取り組んでいた。道路や市営住宅を整備したのち、道路を挟んで東西に分かれた土地を両方とも公園にするつもりだったが、費用面などで2010年に東側のみ約14億円で買い上げて公園を整備。
  • 残った西側の土地はしばらく放置されていたものの、2011年に「7億円前後で買いたい」とする別の学校法人が名乗り出た。しかし国側は「安すぎる」として難色を示し交渉決裂。
  • 2016年に小学校用地として「学校法人森友学園」に売却が成立。

 元工場の跡地での土壌汚染ならともかく、民家の跡地で、8億円もの処理費用を要するような大規模なゴミなどあるのだろうか。また、土壌汚染などは売主が処理してから売却する、少なくとも売却額から差し引くのなら処理費用は買い主側持ちということにもなるが、そんな大規模な処理工事をおこなっていたという話も聞かない。

 そもそも、大規模汚染の発覚ならそれだけで大ニュースになると考えられる。隣接地は平米単価に換算すれば約10倍の価格で売却したのに、売却価格がそこまで大幅に異なるとも考えにくい。

 ますます謎を呼んでいることになる。

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