セクハラ・わいせつ教師の匿名発表をめぐる新聞記事

 『毎日新聞』(長野版)2009年6月29日付『信州・取材前線:わいせつ教職員の匿名発表 被害者プライバシー保護理由に /長野』で、セクハラ・わいせつ教師の匿名発表をめぐる問題が記事にされています。

 同記事によると、2009年5月に勤務校の生徒に盗撮行為をおこなって懲戒免職になった長野県内の高校教諭について、懲戒免職発表時の長野県教委との取材のやりとりが述べられています。長野県教委は「被害者が特定されることでの二次被害」「被害者保護」などを理由に氏名はもちろん、学校名どころか学校の所在地すら明らかにせず、また該当教諭の年齢も「40代」とするのみで具体的な年齢を非公表にしました。そのため詳細な公表を求める報道陣と押し問答になりましたが、結局明らかにはされなかったということです。

 「被害者保護」と称して加害教師を匿名発表にすることは全国的におこなわれていますが、結果的に被害者ではなく《加害者の教師に対する保護》になってしまっています。スクール・セクハラ問題に取り組む市民団体はもちろん、文部科学省ですらその懸念を指摘しています。

 私見としては、学校外で個人的に起こした交通事故や破廉恥事件などなら匿名発表でも構いませんが、教師の立場を悪用して児童・生徒に暴力や人権侵害を加える行為――「体罰」などの暴行、児童・生徒いじめ、スクールセクハラ・わいせつ行為などあらゆる虐待行為――については、懲戒免職事案に限らず軽微なものでも原則実名や勤務校の名前を公表すべきだと考えています。

 「被害者が特定されて二次被害を受ける」というと一見被害者保護のように見えますが、実際は非公表でも被害者への二次被害が発生していることは珍しくなく、全くの無意味です。非公表は結局、加害者である教師を保護していることにほかなりません。

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