匿名相談者の氏名を学校側に伝える:福岡県教委

 福岡県八女地区の公立中学校の保護者が「部活動顧問の指導が行き過ぎている」と福岡県教育委員会に相談した際、保護者側が「学校側には匿名にしてほしい」と強く申し入れたにもかかわらず、対応した指導主事が当該校に保護者の実名を伝えていたことが、2月3日にわかった。

 福岡県教育委員会は同日までに、指導主事を厳重注意とした。

 報道によると、保護者は2016年12月、子どもが所属している運動部の部活動顧問について、「練習を休んだ場合、休んだ日数1日あたり4キロのランニングを科している」などと県教委に相談した。

 この相談には、県教委体育スポーツ健康課指導主事(40代男性)が対応した。保護者は、相談したことで報復や嫌がらせが起きることを恐れ、相談内容は匿名にしてほしいと強く要望した。

 しかし指導主事は、当該校を管轄する教育事務所の担当者に連絡する際、保護者側が匿名を強く希望しているということを伝えなかった。

 その後2017年1月、保護者は匿名で学校に電話した。しかし、応対した教頭が保護者の実名を口走ったことで、保護者の情報が学校側に伝わっていることが発覚した。

 生徒はその後、不登校状態になっているという。

 学校で「行き過ぎた指導」と思われるものや不適切と思われる活動の疑惑があった際、報復での嫌がらせを恐れて、抗議や要望をためらうことも少なくない。また被害などを訴えたことへの報復・嫌がらせについても、決して「考えすぎ」というようなものではなく、マスコミ報道されるような大きい事件でもしばしば発生している。

 保護者側の不安に寄り添っていないという対応も問題である。また同時に、個人情報を適当に扱っているという意味でも問題だといえる。

(参考)
◎福岡県教委 相談受けた生徒名、指導主事が中学側に漏らす(毎日新聞 2017/2/3)
◎「匿名希望だったのに…」部活指導行き過ぎ相談した生徒名、学校に漏れる 福岡県教委ミス認め謝罪(産経新聞 2017/2/3)