奈良・車いす生徒の中学校入学訴訟:就学認める仮の義務づけ

 奈良県下市町の車いす女子生徒が町立中学校への進学を希望したものの断られたとして入学を求めた訴訟で、奈良地裁は6月26日、入学を認める「仮の義務づけ」を決定しました。

 生徒は7月から通学を開始したいとしています。
 この生徒は地元の町立小学校を卒業しましたが、小学校では介助員や加配教員の介助を受けて学校生活を送っていました。地元中学校への進学を強く希望し、設備もチェックした上で「大丈夫だと思う」という見解を示していましたが、下市町教育委員会はバリアフリーが十分ではないことやすぐにバリアフリー設備を設置できるわけではないこと、移動教室が多くなること・傾斜地に立っていること・体が大きくなることなどで移動の際安全面でのリスクが高くなることなどを理由に、養護学校への就学が妥当と答申していました。
 奈良地裁では学校の設備について「不都合はない」と判断した上で、健常者と障害者との共同学習の推進などをうたった衆参両院の付帯決議などを引用しながら「普通学級で学校生活を送ることで成長できる」などと指摘しました。町側の主張については「抽象的な危険にすぎない」「障害のある生徒の自立に向けた取り組みを支援するという理念に反する」などと指摘し、裁量権の逸脱と判断しました。
 一般的・抽象的な論としては、特別支援学校での学習のほうが適していると学校・教育委員会が判断することはありえるでしょう。しかし本人が普通学校を強く希望している場合、受け入れ態勢を可能な限り整えていくことも重要になってきます。今回の場合は、就学を認める決定は生徒側にとってはよかったのではないかといえます。

スポンサードリンク