「家庭教育支援法案」とニセ科学・極右とのつながり指摘

 ネットニュースサイト「リテラ」が2017年1月31日付で、記事『「家庭教育支援法案」の裏にも…安倍政権と一体化する極右オカルト教師集団「TOSS」の正体』を配信した。

「TOSSランド」より、安倍首相の応援メッセージが掲載されたセミナーのチラシ  今国会で自民党が提出する「共謀罪」と並び、多くの人たちのあいだから「危険法案」「&

 2017年1月に召集された通常国会で議員立法として「家庭教育支援法案」が提出される見通しになっていることに伴い、法案の内容を批判し、法案の背景にある勢力について考察している。

 「家庭教育支援法案」では、公権力が家庭教育の内容に介入し、国家にとって都合のいい家庭教育を一方的に押し付けるものだと批判されている。

「家庭教育支援法案」:日刊ゲンダイが批判記事
 『日刊ゲンダイ』2017年1月18日付が、『まるで戦時体制 自民が提出「家庭教育支援法」本当の狙い』を掲載している。  この記事によ...

 その背景には、「発達しょうがいは親の愛着不足に起因する」などとトンデモ理論を展開して批判されている「親学」がある。「親学」は極右思想とも密接なつながりを持ち、「親学」提唱者の高橋史朗氏が会長を務める「親学推進協会」は日本会議の別働隊であるともされている。日本会議の関係者は「『親学』は男女共同参画に対する対案の意味を持つ。ジェンダーフリーに対する保守の側の回答であり対策であります」「親学は父親母親の違いを明確にし、結果として男らしさ女らしさを育みます」などと発言したと報じられている。国会の「親学推進議連」には、安倍晋三首相や下村博文元文科相などが参加しているとも報じられている。

 さらにこの記事では、教師らが会員となって結成している教育実践の研究団体「TOSS」(Teacher’s Organization of Skill Sharing/教育技術法則化運動)が、「親学」や日本会議とも密接な関係を持つと指摘されている。TOSS代表の向山洋一氏は、「親学推進協会」の顧問をつとめ、「親学推進議員連盟」の事務局長として同連盟の立ち上げに関与していると指摘されている。TOSSの活動方針にも「親学」の影響がみられるという。

 さらに「TOSS」は「親学」のみにとどまらず、「水からの伝言」「EM」「江戸しぐさ」など、ニセ科学・疑似科学として認識され、教育理論や教育実践ではオカルト扱いされているものをふんだんに取り入れているとも指摘されている。

 「水からの伝言」は、水にきれいな言葉をかけると結晶がきれいになる・汚い言葉を浴びせると結晶は汚くなるという、科学的にありえない内容である。

 「EM」は、微生物群の働きで環境改善をうたうものだが、微生物投入によって環境悪化につながる危険性が指摘され、さらに推進者は「放射能除去」やら「EMの働きで地域に結界を作って災害の被害が減少する」などとわけのわからないことを言い出しているものである。

 「江戸しぐさ」は1980年代の創作を「江戸時代のマナー」かのように偽って広めるもので、現代社会の生活を前提にしなければつじつまが合わない内容も多く、歴史認識にとっても有害になっている。江戸しぐさ推進者は、歴史的な検証に対しては「明治維新の時に伝承者が虐殺された」などの陰謀論まで言い出している。

 TOSSの活動方針に対して、安倍晋三首相が応援メッセージを寄せているという。またTOSSも、家庭教育支援法案を支持する方向で動いている。

 記事では、以下のようにまとめている。

 オカルトと結びつき、背後で極右が成立に向けて暗躍する「家庭教育支援法案」。こんなとんでもない法案を、しかし、いま安倍政権は押し通そうと画策しているのである。常套手段である「強行採決」をさせないためには、この法案の危険性を広めるしか方法はない。本サイトでは今後も同法案に注視していくつもりだ。

 科学や教育実践の到達点に基づくものではないにもかかわらず、オカルト・疑似科学を背景としながら家庭教育に介入するようなものは、危険なものだというべきものであろう。

 このような法案は、成立させてはいけない。