「学校安心ルール」本格適用へ:大阪市・教育基本振興計画

 大阪市は1月31日の総合教育会議で、市の教育基本振興計画を取りまとめた。

 2017年度から2020年度までの4年間の重点施策として、「いじめや暴力のない安心・安全な学校づくり」「学力・体力の向上」などをあげた。

 「いじめや暴力のない安心・安全な学校づくり」とだけ聞くと、そのこと自体を否定する人はまずいないと思われる。しかし大阪市では、一見すると誰でも支持できそうな言葉の裏で、それこそがいじめや暴力ではないかという施策をとっている。

 大阪市では維新市政のもとで、「学校安心ルール」として、いわゆる「ゼロ・トレランス」的な発想で児童生徒を管理し、「違反行為」を類型化して、その違反行為のレベルにあわせて機械的に対応するという方策を打ち出している。「学校安心ルール」は教育関係者や保護者からの批判が根強く、また大阪市会の委員会でも度々批判的に取り上げられている。

大阪市、厳罰主義的・管理的な「学校安心ルール」策定
 大阪市教育委員会は11月17日の教育委員会会議で、児童生徒の問題行動を5段階に分け、レベルごとに学校の対応をルール化する「学校安心ルール」...

 教育基本振興計画では、これまで試行と位置づけられてきた「学校安心ルール」を市立小中学校で本格運用するとしている。これでは、児童・生徒に機械的・画一的な対応をすることになり、状況をさらに悪化させるだけではないか。

 この件に関する、吉村洋文大阪市長のツイッターの内容がひどい。

 「いじめの認知件数が増えてもかまわない」「大事なのは早期認知、学校全体で早期対応。認知件数減少を目標に」という構え自体は、求められることではある。過去には全国的に、「いじめゼロ」の数値目標を立てたことで、認知件数を減らすことそのものが目的になって数字を操作し、目の前のいじめに向き合わないという問題があちこちで発生した。そういうことを繰り返してはならないのは、言うまでもない。

 しかし「学校安心ルール」の存在そのものが、新たないじめの火種になったり、学校・教師が児童生徒をいじめる口実になりかねない。

 また「認知件数が増えれば反維新は喜ぶだろう」とは、いったいどういうことなのか。当ブログも「反維新」の範疇に入るのであろうが、「いじめの認知件数が増えれば喜ぶ」なんてわけの分からない立場を取った覚えはない。それ以前に、行政の長であるにもかかわらず、行政として取り組むべき内容に対して、「反対派」を事実とは異なる内容でこき下ろして政争や政治的対立を持ち込む対応には、強い不快感を感じる。