横浜市原発事故避難生徒いじめ問題、教育長の発言に抗議文書

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴って福島県から横浜市に避難した男子生徒(現在中学校1年)が避難直後の横浜市立小学校在学中にいじめを受け金銭を脅し取られるなどしていた問題で、生徒側の代理人は1月23日、横浜市の岡田優子教育長が1月20日に「金銭のやり取りをいじめと認めるのは困難」とする見解を示したことへの抗議文書を、横浜市教委に提出した。

 この問題に関しては、生徒が小学校5年だった頃、同級生から「原発事故の賠償金をもらっているのだろう」と難癖をつけられ、1回あたり5万円から10万円、合計約150万円を同級生に脅し取られた。同級生はその金を、ゲームセンターなどでの遊興費に充てた。

 横浜市教育委員会の第三者委員会の報告書では、金銭のやり取りがあった事実関係は認定し、理由についても「生徒がいじめから逃れるためと推察される」とまで言及しながら、生徒間の自主的な金銭のやり取りかのように扱って、いじめとは認定しなかった。

 生徒側は金銭のやり取りをいじめとは認定しなかったことを不服として、いじめとして認定するよう求めて要望した。しかし岡田教育長の発言は、生徒側の要望を事実上否定したものともなっている。

 そもそも「被害生徒が苦痛を感じているかどうかがいじめの判断基準」というのは、文部科学省も指摘しているような教育行政上のいじめの定義である。金銭のやり取りがあり、しかもいじめから逃れるためと推察されると認定しながら、いじめと認めないのは、それだけで筋が通らないことだといえる。

 さらに、150万円もの大金のやり取りがあったという事実関係自体、極めて異常な行為である。これをいじめ・恐喝と言わなければ、何がいじめになるのだろうか。

(参考)
◎市のいじめ認定困難発言に抗議 震災避難の生徒側が文書提出(共同通信 2017/1/23)

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