いじめ訴える作文の記述、担当教師が見落とす:新潟県下越地方

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で福島県から避難し新潟県下越地方の公立中学校に通学する1年の女子生徒が、同級生から名前の後に「菌」を付けて呼ばれるなどしたいじめを受け登校できない状態になっている問題で、地元教育委員会が1月21日に記者会見し、いじめがあったことを認めた。

 この生徒は2012年に自主避難した。転入先の小学校でもいじめを受けていたという。

 一部報道で「この生徒が中学校進学後、授業で書いた作文で、いじめを受けたことを訴えた。しかし担当教師が見落とした」と報じられたことについて、教育委員会は記者会見の中で、報道で指摘されたような事実関係があったことを認め、詳細を説明した。

 教育委員会によると、2016年7月、生徒は国語の授業で作文を書いた。作文では、原発事故で福島県から避難したことや、転入先の小学校でいじめを受けたこと、中学校に入学してからもいじめを受け続けているという内容を書いた。

 しかし担当の国語教諭は、作文に目を通したものの、いじめは小学校時代の話だと思い込み、そのまま採点するだけで、学級担任や学年主任・管理職など他の教職員への情報提供・情報共有はしなかったという。

 この時点で見落とさずにきちんと対応できていればと思うと、非常に無念である。

 また教育委員会は、この女子生徒を「菌」と呼ぶなどのいじめに関与した生徒は11人と判断した。いじめと原発事故・避難者との因果関係については、「いじめに関与した同級生への聞き取り調査をおこなったが、同級生は『避難者と結びつけて言ったのではない』と話した」として、関連は薄いとする見解を示した。

 いじめと原発事故との因果関係については、さらなる調査が必要だと思われる。また同時に、いじめ行為そのものが重大な人権侵害問題でもあり、いじめへの対応として適切な措置をとらなければならない。

(参考)
◎作文でいじめ訴える=原発避難の中1、報告されず―新潟(時事通信 2017/1/21)
◎新潟・公立中 いじめ、教委が認める…「菌」呼ばわり(毎日新聞 2017/1/21)
◎避難した中学生にいじめ 作文で訴えも教師が見過ごす(NHKニュース 2017/1/22)