高校剣道部死亡事件:求償命じる判決不服として大分県が控訴

 大分県立竹田高校剣道部で2009年8月、部員の生徒が熱射病で死亡する事故があり、背景に顧問教諭が異変の兆候を示した生徒を放置した上に暴力を加えたことなど不適切対応が指摘された問題で、大分県は1月5日、県が遺族に支払った損害賠償金相当額のうち約100万円を県から顧問教諭に求償するよう命じた判決(2016年12月22日)を不服として控訴した。

高校剣道部員熱射病死亡事件、元顧問への求償権行使命じる判決
 大分県立竹田高校で2009年8月、剣道部の練習中に部員の男子生徒が熱射病で死亡し、背景には顧問教諭らの不適切指導があった事件で、死亡した生...

 大分県は控訴の理由について、「元顧問は救命措置をした。部活動に携わる教員に大きな影響があり、上級審の判断を仰ぎたい」などとしているという。

 しかし大分県の言い分は、めちゃくちゃなものである。生徒がふらついて倒れるなど異変を示していたにもかかわらず、「気合が入っていない」などとして練習続行を強要しようとし、「演技」などと言いがかりをつけて暴力まで加えた。生徒の体調がさらに悪化しても放置し、生徒が異変を示してから救急車を呼ぶなどの対応をするまでかなりの時間が経過し、「救命措置」のタイミングを異常に遅らせたことになる。「救命措置をした」と主張しても、何を言っているのかとしか受け取れないのではないか。

 また「部活動に携わる教員に大きな影響があり」というのもおかしな言い分である。この判決が「大きな影響」といっても現場の教員を萎縮させるような内容ではないはずであり、逆にまともな指導にとっては一定の到達点といえるのではないか。たまたま死亡や重症などの重篤な問題につながっていないだけで、この教諭がしたように、生徒が明らかに体調不良の徴候を示しても練習続行を強要させるような異常な行為が横行しているとでもいうのだろうか。

 今回の控訴は疑問である。

(参考)
◎「もう無理です」腹を蹴り、平手打ち… 大分県が高校部活事故で控訴 熱中症で死亡「元顧問は救命措置した」(産経新聞 2017/1/5)

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