全国学力テスト:政令市の平均点も公表へ

 文部科学省は12月16日、2017年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の実施要項を決定した。小学校6年と中学校3年を対象とし、実施日は2017年4月18日となる。

 実施要項では新しく、成績公表の方法について、従来の都道府県別の平均点に加えて、政令指定都市別の平均点も公表することを決めた。また小学校6年のテスト結果を進学先中学校に引き継ぐことや、研究・分析目的で研究者や行政担当者に結果データを貸与できるようにすることも、新たに盛り込まれた。

 テストでの平均点至上主義、および地域間での平均点・順位競争が、さらに加速する方向になっていると考えられる。

 全国学力テストは元々、学校別・地域別の競争を目的として導入が構想されたものである。国会での議論や世論の反対を受け、表向きは「学力状況の把握」として導入することになり、平均点の公表範囲も「競争を防ぐ」として都道府県までにとどめた経緯がある。

 しかしそれでも、全国学力テストをめぐる報道や、行政の取り扱いは、「わが県の順位は何位か。全国平均と比較して上か下か」という一面的な報道に終始している。また市区町村別や学校別の順位や平均点の公開を求める動きも一部に出て、市区町村が独自に自分の自治体の平均点や各学校別の平均点を公表することも容認してきた経緯もある。

 それに加えて今度は文部科学省自らが、政令指定都市の平均点も公表範囲に加えることになる。文科省自らが設定した表向きの建前も、なし崩しにされている状態となっている。

 また文科省は「一人ひとりの学力状況把握」も実施の口実にしている。しかしそれは「地域・学校間競争のために導入した」経緯への批判に対応するための後づけでもある。テストの実施から結果返却に時間があることや、結果の通知もどこがどう課題があるかわかりにくいことなど、役立たないことも指摘されている。

 教育行政に反映させるための資料を得るための調査なら抽出調査でも十分であり、全員にテストを実施する必要はない。また個人の学力把握なら学校でのテストでも十分対応可能である。平均点や順位だけが独り歩きし、学校のみならず校区地域の「格付け」にもつながるような形になるテストのやり方は、好ましいものだとは思えない。

 やはり、現行方式でのテストは中止すべきではないか。

(参考)
◎来年度の学テ実施要領通知 政令市別結果も公表(共同通信 2016/12/16)

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