原発事故避難を理由としたいじめ「確認できず」:新潟県・新潟市

 新潟市教育委員会と新潟県教育委員会は12月13日までに、東日本大震災やそれに伴う福島第一原発事故の影響で被災地から県内に避難し公立学校に転入した児童・生徒に対して、2016年4月から11月下旬の間に被災や避難を理由としたいじめ被害があったかどうかを調査した結果をまとめた。

 新潟市教育委員会の調査では、新潟市立小中学校では避難者が被害者となったいじめ案件は7件確認されたものの、いずれも震災や原発事故を理由としたものではないと結論づけた。

 また新潟県教育委員会の調査では、新潟県立高校や新潟市以外の県内公立学校に在籍する避難者へのいじめは確認されなかったとした。

 この調査は、「原発事故の影響で福島県から横浜市に避難した生徒が、避難者を理由としたいじめを受けた」とする案件が2016年11月に大きく報道されたことを受けて実施された。

 新潟市立小学校では、横浜市の事件が報道された直後、福島県からの避難者の4年生児童が同様に「菌」などと呼ばれるいじめを受け、担任教諭も当該児童を「菌」と呼んで児童が登校できない状態になっている事件が大きく報じられた。新潟市教委がまとめた7件のうちには、この案件も含まれている。

担任教諭が児童を「菌」と呼ぶ:新潟市
 新潟市立小学校で4年を担任している男性教諭が、担任クラスの男子児童の名前のあとに「菌」をつけて「○○菌」などと発言していたことが、12月2...

 新潟市立小学校の「菌」発言事件では、被害児童や保護者は、授業で原発が取り上げられた際にこの児童が自分の避難体験を積極的に発言した直後からいじめが始まったなどとして、原発事故と関係があるのではないかと訴えていると報じられている。しかし新潟市教委は、この案件も含めてすべての事件で、被害者がたまたま避難者だっただけで、震災・原発事故や避難と結びつけたことが理由となったいじめではないと判断した。また「菌」発言事件以外の6件の案件は、学校側が対応して解決済みとしている。

 理由やきっかけはどうあれ、いじめ事件そのものが早期解決を要するものではある。しかも、原発事故や避難がいじめのきっかけとなったのではないかという訴えがある案件もあるにもかかわらず、それらの案件について早々に「因果関係はない」と結論付けるのも、適切とはいえないのではないか。個別案件ごとに、慎重な再調査が求められているといえる。

(参考)
◎避難児童・生徒いじめ7件 新潟市「避難が理由はなし」(新潟日報 2016/12/14)

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