大学入試出題ミス:背景掘り下げる『毎日新聞』記事

 大阪大学と京都大学で相次いで、2017年度入試で物理の2次試験での出題ミスが発覚し、本来なら合格ラインに達していた受験生が不合格になっていたことが1年後に発覚した問題。

 当該受験生は浪人や他大学への入学・第2志望以下の他学科への「回し合格」などと進路を変えられたことになるが、両大学とも該当者には個別の意向を聴き、希望者には入学・編入・転科などを認める方向で調整している。

 入試での出題ミスが相次いだことについて、毎日新聞2018年2月3日『京大・阪大入試ミス相次ぐ 問題作成、教員に負担 自腹で教科書/チェック不安』が背景を掘り下げている。

 入試問題作成業務は、大学教員によっておこなわれる。日常の研究や講義などの上に、入試問題の作成業務のための教員間での会議なども入る。また出題範囲の確認のために、普段は目を通さない高校教科書の内容をチェックする作業も加わる。教科書は自腹で購入することもあるという。

 個別の教員の負担感にとどまらず、国立大学の体力が全体的に落ちているという指摘もある。大学予算が減少する中で、教員が減少したり、また少数の教員にしわ寄せがくるような現状もある。

 記事では、そのような内容が指摘されている。

 大学予算の削減を含めた高等教育の軽視が、大学入試問題作成にもしわ寄せを与えているような形になる。人がいなくなる、個別の教員の負担が増大するの悪循環となっている。そこを改善していく必要がある。

 しかも今後の大学入試改革で、単純な暗記力だけではなく思考力を重視する試験形態に移行することが求められていることから、少ない人手と予算の中では教員の負担感が増すことも考えられる。2018年のセンター試験「地理B」の「ムーミン」問題でも、出題側は「出題ミス」と認めたわけではないが、出題に際して使用した資料の前提条件がおかしなものになっていたことから、設問がおかしなものになたとも指摘された。京大や阪大、センター試験のような出題ミス・ないしは疑問を持たれるような出題が、今後増えていくことも考えられるのではないか。