横浜市立中学校の対生徒暴力:市教委は「不適切指導」と認定

 横浜市鶴見区の横浜市立矢向中学校で2005年11月、男性教諭(42)が男子生徒の体をつかんで柱にぶつけるなどの暴力を加えた問題がありました。

 該当教諭はこの事件のほかにも、この生徒や他の生徒に対して「担当の社会科の授業で、チョークを生徒の鼻に押しつけたり、発問に答えられないと執拗に生徒を責め立てる」「顧問を務める陸上部で、陸上競技で使うスターターを生徒の耳元で鳴らす」などの暴力的な行為を繰り返していたということです。
 この問題で横浜市教育委員会は2006年1月12日、この教諭を減給処分にしました。

懲戒:鼻にチョーク押し付け脅す 横浜市教委、中学教諭を処分 /神奈川(『毎日新聞』神奈川版 2006/1/13)
 横浜市教育委員会は12日、生徒の鼻にチョークを押し付けるなどしたとして、市立矢向中の男性教諭(42)を減給1カ月10分の1の懲戒処分にしたと発表した。市教委は教諭の行為を「不適切」と認めたが、「故意ではなく指導の意図もあった」との理由で、体罰には当たらないと判断した。
 市教委によると、男性教諭は昨年11月、3年の男子生徒(14)を指導する際に襟をつかんで引っ張り、頭が柱にぶつかった男子生徒は2~3日のけがをした。さらにこの生徒が授業中に質問に答えられないと「突っ込むぞ」と脅し、チョークを鼻に押し付けた。他の複数の生徒に対してもチョークを鼻に押し付けていた。
 教諭は「生徒を力で引っ張り上げようと自分の指導を押し付けてしまった」と話しているという。市教委は「全体的に乱暴で、相手の心情をくみきれない指導だった」と話している。【堀智行】

 気になるのは、男性教諭の行為に対する横浜市教委の認識です。「不適切な行為だが『体罰』ではない」と認定したのは、どうにも理解に苦しむ内容です。
 極端な言い方をすれば、「指導」と称して子どもに暴力を加えることを、市教委として容認しているのではないかと受け止められる内容になっています。
 教諭に対して暴力を加えたわけでもない・また手のつけようのないほど暴れているわけでもない無抵抗な生徒に対して、教諭が一方的につかみかかることは、仮に教諭の主観として「指導の意図があった」としても、一般的には暴力であり「体罰」にほかならない行為です。
 教諭の行為は「不適切な行為」であり、また同時に「体罰」にも該当するものといえるのではないかと考えられます。