新潟県中学生いじめ「原発事故避難といじめに関連」

 東京電力福島第一原発事故の影響で福島県から新潟県下越地域に避難している中学校2年の女子生徒が、1年時にいじめを受けて一時不登校になった問題を調査していた、地元教育委員会が設置した第三者委員会は1月29日、原発事故避難といじめとの間には関連があることを示唆する調査報告書をまとめた。

 報告書によると、女子生徒が小学校3年の時にこの地域の小学校に転入した直後の2012年から「けがれる」「キモイ」などの暴言を受けるなどのいじめが続き、不登校になった。女子生徒は小学校6年時に適応障害と診断された。

 保護者は生徒の中学校進学に際して、小学校に対し、進学先の中学校に対して再発防止の引き継ぎを求め、小学校から中学校に引き継ぎがおこなわれた。

 しかし中学校進学後も、複数の生徒から名前に「菌」をつけて呼ばれる、無視されるなどのいじめが続いた。学校側は関係生徒に指導したものの、担任教諭が女子生徒に対して「気のせいではないか」と話す行為もあったという。

 生徒が中学校1年時の2016年、国語の授業で作文が課題として出た際、いじめが続いていると訴える内容の作文を提出した。しかし授業担当の国語教員は、作文に書かれた内容は「小学校時代の話」と思い込んだとしてそのまま採点するだけで、学校としての情報共有や対応などはとらなかった。

 報告書では、学校側の対応が不適切だったことを指摘した。担任が「気のせいではないか」と話したことは不適切対応だと言及し、また国語教師が作文の内容を放置した形になったことについてもきちんと読めばいじめに気づけたはずと指摘した。

 学校側は、原発避難といじめとの因果関係は認めていなかった。その一方で報告書では、生徒が「菌」と呼ばれたことについて、原発事故の避難とは「無関係とはいえない」と言及し、いじめと原発事故避難に因果関係があると示唆している。

 もっとも、どのような背景があっても、いじめ自体が許されるものではない。いじめ問題としての厳正な対応と再発防止策をとることが求められている。

 その上で、東日本大震災とそれに伴う原発事故で他地域に避難している児童生徒へのいじめについては、各地で多く報告されている。原発事故や避難者への差別・偏見が背景にあると思われる事例も多く、「いじめの標的になったのがたまたま避難者だった」ということでは説明が付かないほどになっている。

 いじめそのものが許されないという原則論をベースにした上で、原発事故や避難者への人権問題という観点も加えて対応していくべきではないか。

(参考)
◎中学の対応「不適切」=原発避難いじめで第三者委―新潟(時事通信 2018/1/29)
◎原発避難 「人間なのに」中1訴え 新潟で深刻ないじめ(毎日新聞 2018/1/29)
◎原発避難の中学生いじめ 第三者委「学校の具体策なし」 新潟(NHKニュース 2018/1/29)