震災・原発事故避難生徒に継続的ないじめ:横浜市

 横浜市教育委員会は11月9日、東日本大震災に伴う福島第一原発事故で福島県から横浜市に転入した生徒(2016年現在、横浜市立中学校1年)に対して、小学校時代からの長期的・継続的ないじめがあり、当該生徒が不登校になっていると発表した。

 横浜市教育委員会の第三者委員会が同日、この生徒へのいじめがあったとする調査報告書をまとめ、市に提出した。

 当該生徒は震災・原発事故後に横浜市に自主避難し、小学校2年だった2011年8月に横浜市立小学校に転入したという。直後から名前に「菌」をつけて呼ばれたり蹴られるなどのいじめを受けるようになり、3年のときに一時不登校になった。

 その後登校できるようになったものの、小学校5年のときには、同級生から「原発事故の賠償金をもらっているのだろう」などと因縁をつけられて、同級生約10人がゲームセンターなどで遊ぶ金名目として1回あたり5万円~10万円を、合計約10回にわたって支払わされたとしている。

 生徒はその後再び不登校状態になり、現在に至るまで登校できない状態が続いている。生徒は現在、カウンセリングを受診している状態だという。

 学校側は生徒側からの相談を受けていたにもかかわらず対応が後手に回り、また市教委など関係機関とも情報が共有されずに対応が遅れたことなどが指摘されている。学校の対応については「教育の放棄に等しい」と厳しく言及している。

 「菌」などと呼ばれたり暴力を受けること自体、仮に原発事故とは直接関係なかったとしても、悪質ないじめにほかならず、早期の対応が必要な事案である。しかも原発事故を口実にして、変な因縁をつけて金品を脅し取るなど、悪質極まりないものであり、迅速かつ適切な指導が必要な案件である。しかしそれを把握しながら対応が遅れたとも受け取れる学校側の対応は、極めて問題ではないか。

(参考)
◎震災避難いじめで横浜市長が謝罪 市教委や学校の対応「甘い」(共同通信 2016/11/9)
◎「猛省促す」学校の対応を痛烈批判 横浜市の第三者委 原発避難の生徒いじめ(産経新聞 2016/11/9)
◎原発避難の生徒がいじめで不登校 「菌」「賠償金もらってるだろう」 横浜市(産経新聞 2016/11/9)