大川小学校津波訴訟、石巻市が控訴の意向固める

 東日本大震災の津波で宮城県石巻市立大川小学校の児童74人と教職員10人が死亡・行方不明になった事件に関して、死亡した児童のうち23人の遺族19遺族が石巻市や宮城県を相手取って訴えていた民事訴訟で、石巻市は10月28日、学校側の責任を認めて計14億円以上の損害賠償を命じた一審仙台地裁判決(2016年10月26日)を不服として控訴する意向を固めた。

東日本大震災での津波被害、学校の避難に過失があったと判断:大川小学校訴訟
 2011年3月11日の東日本大震災の津波により、宮城県石巻市立大川小学校では、学校管理下の人的被害としてはもっとも大きい84人(児童74人...

 石巻市は「学校管理下で多くの児童が命を失ったことに、遺族の方々には申し訳ないと思っているが、判決を見た限りでは(津波を)予見できたかどうかという点と、結果回避責任について受け入れられない内容も含んでいたので控訴したい」「控訴しない方向もあったと思うが、判決を見ると学校の防災教育に非常に大きな影響を与える内容になっている。私としては今後のことを考えて控訴すべきであろうと判断した」(市長記者会見)などと話し、主張について譲れない点があるとした。

 控訴を承認するかどうかを審議する関連議案は市議会の臨時議会にかけられ、承認された場合は控訴となる。宮城県は、石巻市に歩調を合わせることになると思うなどとしている。

 一方で遺族側は、判決では震災当時の事実関係が明らかにされたとはいえないとしながらも、「裁判は結果が目的ではない。市は控訴した場合、行政や教育関係者が子どもの命を守らなくてもいいとの主張を繰り返すのか」と疑問視している。

 控訴が承認された場合、裁判が続くことにもなる。学校の防災教育に大きな影響を与える内容だからこそ、控訴しない選択肢もあるのではないかという気がしてならない。

(参考)
◎<大川小訴訟>市長「予見可能性で譲れない点」(河北新報 2016/10/29)
◎<大川小訴訟>遺族「これ以上苦しめないで」(河北新報 2016/10/29)