車いす生徒の中学校入学問題、生徒側が就学求めて提訴:奈良

 奈良県下市町の車いす女子生徒が地元中学校への進学を希望したにもかかわらず施設不備などを理由に養護学校への就学をすすめられた問題で、生徒と保護者は4月28日、下市町と同町教育委員会を相手取り、中学校への入学を認めるよう求める民事訴訟を奈良地裁に起こしました。また同時に、判決が出るまで中学校に通学できるよう求める仮処分も申し立てています。

 生徒側は町教委と話し合いを重ねてきましたが、平行線のままだったとして訴訟に踏み切ったということです。

 訴状によると、国や地方公共団体は、憲法や教育基本法で、子どもに対する教育を行うための制度や条件を整備する義務を負っていると指摘。しかし、町側は女児が支障なく学校生活を送るために必要な校舎のバリアフリー化や人員配置をしようとせず、女児が中学校へ通学する教育上の効果も慎重に検討していない、などとしている。(asahi.com 2009/4/28 『車いす女児、地元中学入学求め町教委を提訴 奈良』)

 一方で町教委は、中学校に階段が多いうえに、教科の授業などで教室移動の機会が多くなることなどをあげ、事故の危険を心配しているということです。学校のバリアフリー化については、財政的な面で厳しいとされています。

 生徒側・教育委員会側の主張は、それぞれに根拠があります。裁判でどう判断されるのかは現時点では何とも言えません。

 しかしどちらかが一方的に正しいとか間違っているとか、そういう性質のものではありません。また直接的には一人の生徒の入学問題ですが、大きく見れば学校での児童・生徒の受け入れ態勢のあり方やバリアフリーの問題など、広く社会に影響を与えていくことになってくると思われます。

 生徒の就学という問題は一刻を争う問題でもあり、どのような結論になるにしろ迅速な解決が求められます。

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