2016年度全国学力テストの結果発表

 文部科学省は9月29日、2016年4月に実施した全国学力テストの調査結果を発表した。

 相変わらず、どこの県は何位かとか、我が県は全国平均と比較して上か下かとか、そういった一面的な扱いが目立つ。

 一方で、地域ごとの平均点の格差は縮小したと指摘されている。平均点イコール学力のすべてという発想は誤りということをまず強調した上で、このような調査結果になったことについては、全国学力テストでの出題傾向を分析し、過去問や類似問題にあわせた授業や問題演習が各地で進められた結果だと推定される。

 平均点や順位でしかものをみない傾向が、過剰なテスト対策を呼び込んだという形ではないだろうか。

 国として学力の傾向を把握し、文部科学行政に反映していく取り組み自体は、一般的に言ってありうる。しかしそれはランダムな抽出調査でも十分であり、全員調査の全国学力テストという形で実施する必要はない。全国学力テストによって、点数競争が目的化して「テスト前の授業は過去問や類似問題の問題演習一辺倒になる」「不登校の生徒や障害児など成績が振るわないおそれがあると見込まれた生徒の答案を集計から除外」「試験監督の教師が、誤答を書いている生徒に対して合図を送って気づかせようとする」などの弊害もすでに生まれている。また学校別平均点が公表され、学校選択制などの参考資料としている地域もある。現行の方式でのテストは中止すべきではないか。