実教出版日本史教科書、改訂版でも採択拒否:川崎市

 川崎市教育委員会は9月21日の会議で、市立高校の2017年度使用の教科書採択をおこなった。市立橘高校の「日本史A」科目について、学校側は実教出版を第一希望として採択希望申請したものの、教育委員会が承認せず、予備の採択候補の一つとして届け出ていた東京書籍版を採択した。

 川崎市立高校の教科書採択に際しては、第一希望の教科書がわかるように明記した上で、複数の採択候補教科書を学校が届け出る方式だという。実教出版を第一希望として申請したのは当該校だけだった。

 実教出版の日本史教科書では、2013年度版で国旗国歌法の記述について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記載したことが一部の教育委員会や右派議員から敵視され、各地で採択拒否や学校への圧力が生まれた。また、採択拒否にまでは至らなかった地域でも、当該教科書を採択した学校にのみ教育委員会作成の副教材使用や、詳細な授業計画提出、当該単元授業への管理職立ち会いを義務付けるなどの状況も生まれた。

 川崎市では2014年、橘高校など2校が実教出版教科書の採択希望申請をおこなったが、拒否されている。

 2017年度版からは改訂版となり、当該記述は削除されている。しかし教育委員会会議では、同教科書が改訂後も「課題とした部分が変わっていない」などとして採択希望を拒否した。

 「改訂版で記述が後退したからといっても、まだまだ不満が残る」とばかりに、学校現場の判断をひっくり返す形で、教育委員会が上から圧力をかける状況が浮かび上がっている。このような状況が好ましいとは思えない。

(参考)
◎高校教科書 市立橘の希望退ける 日本史A 東京書籍を採択(東京新聞 2016/9/22)