教材費など滞納で卒業アルバム渡さず:茨城県の中学校

 茨城県ひたちなか市立勝田第三中学校で2009年3月、卒業生(当時3年生)3人に対して「教材費などの諸経費を滞納している」として卒業アルバムなどを渡さなかったり、一度渡したアルバムを学校に返還させるなどしていたことがわかりました。

 生活苦から支払い困難になり、また支払いの意思を見せているにもかかわらず、アルバムの配布を拒否されたということです。

滞納理由に卒業アルバム渡さず 茨城の中学、生徒3人に(asahi.com 2009/4/24)より
 同校の説明によると、3月6日、4クラス計139人の3年生に卒業アルバムと文集、3年間の合唱祭を記録したCDの3点が、教室で配られた。
 しかし、生徒の1人は同日の放課後、学年主任(54)に職員室へ呼び出され、担任(41)にすべて返すように言われた。アルバムには友人13人から寄せ書きをしてもらっていた。担任は「お母さんが取りにこないといけないから」と説明。生徒は帰宅後、母親から諸費用が未払いだったと知らされたという。後日、母親は「アルバム代を払うのでいくらか教えてほしい」と申し出たが、学校側は応じなかったという。
 別の生徒は配布の日、高校の合格発表で欠席し、後日受け取りに行ったが、未払いを理由に拒否された。母親も「教材費だけでも払うので、アルバムを渡して」と求めたが、学年主任に拒まれたという。母親は6人の子を1人で育てており、生活苦から、この生徒が2年になった途中から費用が払えなくなった。滞納額は計20万円余だが、「少しずつ返すつもりなのに、学校は理解してくれない」と話している。

 義務教育は無償という観点から教材費などの諸費用を無償にすべきという論もあるのですが、「日本国憲法での無償は授業料の無償を意味する。諸費用負担の軽減などは望ましいが、それは行政の対策によるものとなり憲法上の問題ではない」とする最高裁判決にしたがい、現行の教育行政上は、義務教育に関する諸費用への助成は行政の判断となっています。
 しかし少なくとも今回のケースは生徒に非のない理由でもあり、生徒の立場に立ってみれば全く理不尽な対応だといえます。
 また保護者も支払い能力がありながら意図的に滞納していたわけでもなく、生活苦などからやむなく滞納してしまった様子です。支払える範囲で少しずつでも支払いたいという意思を見せているにもかかわらず、それすら拒んだ学校側の対応は疑問だといえます。
 元をたどれば教育行政というもっと大きなところから改善していかなければならないのでしょうが、学校側はもっと柔軟な対応をとる余地はあったのではないかと感じます。

スポンサードリンク