転機を迎える道徳教育:小学校「特別の教科」1年目と中学校教科書の検定・採択

 2018年は、小学校での道徳教育が「特別の教科」に移行する年となる。また中学校での道徳教育についても、2019年度の「特別の教科」移行に向けて、3月には教科書検定の結果発表、7~8月には教科書採択の見通しとなっている。

道徳の成績評価の問題

 道徳の教科化にあたっては、成績評定をつける必要が生じる。

 道徳は児童生徒の内面にかかわるものである。道徳教育の教科化による成績評定の導入では、「授業者や教材作成者の意図に沿った答えだけが正解として評価される。これは成績評定を通じて、児童生徒の考えを特定の型にはめていくことにつながる」という危惧が指摘されているが、解決されていないままとなっている。

 文部科学省は、道徳の評価については、数値評価ではなく文章評価にするという策を打ち出した。しかし、道徳の評価自体が原理的に特定の価値判断を伴う性質になるのは避けられない以上、根本的な解決には至らないものとなっている。

 評価の問題を十分解決できない形で、小学校では実際に「特別の教科」としての授業が始まる形となる。現場の教職員の取り組みと、研究者・保護者・市民が連携しながら、道徳教育の問題点を考え、よりよい方向での改善策を探っていく取り組みを強めていくことが重要ではないか。

中学校道徳教科書の検定・採択の年

 中学校では、教科書検定の内容発表と、教科書採択が続くことになる。

 2017年の小学校道徳の教科書の検定・採択をめぐっては、教育出版の道徳教科書の内容がひどいと、問題点が指摘された。そのようなことの事実上の再現が起きる可能性も、十分考えられる。

 中学校道徳教科書をめぐる動向についても、注視していく必要があるのではないだろうか。