同学年の学生への2件のいじめ事件発覚:山口県・大島商船高専

 大島商船高等専門学校(山口県周防大島町)で、同学年の学生に対する2件のいじめ事件があり、1人が自殺、もう1人が適応障害を発症していたことがわかった。

 2件のいじめ事件は同じグループが関与し、相互に関連しているとみられている。

2016年のいじめ自殺事件

 2016年5月21日未明、当時1年生の男子学生・Aさんが校舎から飛び降り自殺した。この事件について、校内でのいじめがあった疑いが強いとして、遺族側が2017年12月22日、学校に対して第三者委員会の設置を求める要望書を送付した。

 自殺事件について調査した学校側の調査では「いじめは確認できなかった」とした。しかし遺族側が同級生への聴き取りなどをおこなったところ、校内でいじめを受けていた疑いが浮上したという。

 Aさんは2016年4月の入学直後から、クラスや部活動などで、同級生や上級生から「殺人鬼」など不快と受け取れるあだ名で呼ばれていたという。Aさんは寮生活をしていたが、自室の机の引き出しに性的な内容の本を入れられたこともあったという。自傷行為も目撃されていた。

 またAさんの自殺当日、連絡を受けた遺族が学校を訪れた際、校長が男子学生の尊厳を傷つける暴言を遺族に対しておこなったとも訴えている。

別の学生もいじめを受け適応障害発症

 自殺した学生の机に性的な内容の本が入れられたとするいじめに関連して、自殺した学生をいじめていたグループから、別の学生が「犯人」とする事実無根の噂を流されるなどの別のいじめも発生し、その学生が適応障害を発症したと指摘されている。

 2年生の男子学生・Bさんは、自殺した学生・Aさんと同級生だった。性的な内容の本が入れられたとされる日、BさんはAさんと学生寮で同室だった。性的な内容の本が入れられた2日後に、Aさんは自殺した。寮で同室だったのは2日間だけだった。

 Bさんはいじめには関与していなかった。BさんはAさんに対し、いじめに気づけず止められなかったことを詫びていたという。

 自殺事件のあった直後から、Bさんへのいじめが始まった。Aさんへのいじめに関与していたとみられるグループから、Aさんが自殺したのはBさんのせいだという事実無根の噂が流されるなどした。

 また、写真を隠し撮りされて笑いものにされる、ばい菌扱いされるような言動を受けるなどのいじめもあった。

 Bさんは2年に進級後に体調不良を訴え、適応障害と診断された。学校側はBさんへのいじめの件について、教員らによる「いじめ対策委員会」を設置して、2017年7月に調査を開始した。

 しかし学校側は調査の際、「どうして君は先生の言うことを聞かないのか」「授業中に寝ている」「寮の部屋が汚い」「寮生活で人間関係もうまくできないし、それがトラブルの原因にもなっている。落ち着くまで寮を離れたらどうか」などと発言し、Bさんを威圧するような対応をとった。

いじめの連鎖と対応のまずさ

 いじめ行為そのものも悪質である。

 しかも学校側も積極的に対応せず、それどころか被害者の学生に落ち度があるかのように扱っているとしか受け取れない。これでは、学校側が主観的にはどう思おうが、第三者的に見れば、いじめに加勢している・いじめグループにお墨付きを与えているとみられても仕方がないのではないか。

 自殺事件については早急に第三者委員会を設置して調査にあたるべきだし、適応障害を発症した事件についても被害者の立場に立った調査をすることが必要である。

 また2つの事件が関連しているともみられることから、その観点からも検証していくべきではないか。

(参考)
◎大島商船高専自殺 遺族が第三者調査委設置の要望書(毎日新聞 2017/12/23)
◎15歳自殺の大島商船高専 同室学生にも「いじめ」(毎日新聞 2017/12/24)