大阪市、児童向け図書館の寄附金募集へ

 大阪市は12月21日、建築家・安藤忠雄氏が設計し、大阪市北区中之島に2019年夏の開館を目指す児童向け図書館「こども本の森 中之島(仮称)」について、運営費の寄付金の募集を始めると発表した。

 吉村洋文大阪市長は同日の記者会見で「子どもの創造力を養える施設にしていきたい。趣旨に賛同する人たちは積極的に寄付してほしい」と話した。

 同館は、大阪市出身でもある安藤氏が、市への寄贈を申し入れて計画されたものだという。

 児童向け図書館の整備というと、一見するとよいことのようには見える。

 その一方で、これまでの経緯を考えると、単純に喜べるものではないかもしれないという印象も受ける。

国際児童文学館廃止との関連は?

 橋下徹が大阪府知事だった2008年、児童向けの専門図書館だった大阪府立国際児童文学館(大阪府吹田市・万博記念公園内)の廃止方針を出し、同館は2010年に廃止された経過がある。このことは当時大きな批判を浴びた。

 今回の図書館は大阪市の話で、大阪府とは自治体こそ異なる。しかし橋下徹は維新を作り、吉村洋文市長は維新の最高幹部でもある。維新政治という観点からはつながってくると思える。

 これは、維新の方針が間違っていたことを認めないままに、維新が廃止した施策と類似にみえる施策を「復活」させて「自分たちが新しく作った」かのように都合よくゆがめて騒ぎ立てる、維新のいつもの手口ではないか。

設計で気になる点

 「こども本の森 中之島(仮称)」の設計についても、気になる内容が報道されている。産経新聞12月21日『安藤忠雄氏建築の児童図書館 大阪市が3億円目標に寄付募集』によると、「1階から3階の吹き抜けの壁一面に本棚を設置するなどし、子供が活字や芸術文化に親しめる場所とする。」となっている。

 「吹き抜けの壁一面に本棚」?もしかして、子どもが手を伸ばしてとれないような高い場所に本を置いたり、「ダミー本」で装飾するということなのだろうか。

 こういうおかしな設計で図書館の実用性・利便性を損ねるのは、「ツタヤ図書館」でも指摘されてきたが、そういうことの再現になるのなら歓迎できない。

(参考)
◎安藤忠雄氏建築の児童図書館 大阪市が3億円目標に寄付募集(産経新聞 2017/12/21)
◎子供向け図書館の寄付金募集(NHKニュース 2017/12/23)