青森市いじめ自殺:ネットいじめの転校先への波及恐れ転校を断念

 青森市立浪岡中学校2年の女子生徒が8月25日に自殺し、背景にいじめが指摘されている問題で、自殺した生徒本人も含めた家族が転校を検討していたが、ネットを通じて転校先にもいじめが波及する危険性があるとして断念していたことがわかった。

 『東奥日報』2016年9月5日付が報じている。

 生徒は1年だった2015年からいじめを受けていたという。2年への進級の際にはクラス分けでの配慮がおこなわれたが、進級後の2016年4月に「LINE」などを通じて悪口を書き込むネットいじめが再燃した。

 2016年5月の連休明けには、生徒の両親が他校へ生徒を転校させる選択肢も検討するようになった。生徒本人も同時期に転校も考えると切り出し、近隣の中学校の具体名をあげながら転校先を検討する家族会議を断続的に開いた。

 しかし、「同学年の生徒はネットを通じて近隣校の生徒ともつながりがある。転校してもネット経由で加害者側から情報が伝わり、転校先で再びいじめられる危険性がある」として、最終的には転校断念を余儀なくされた。また女子生徒は「自分が転校した場合、残される友人に嫌がらせが集中するのでは」とも気にかけていたという。

 いじめ被害から逃れるための転校は、多くの自治体で認められている。しかし手続き上認められているからといっても、ネット経由で加害者が転校先の生徒と組んでいじめをおこなう危険性を恐れたという、ネットいじめ特有の問題が浮上していることになる。

 ネットのない時代でも部活動や学習塾などのつながりでこういうネガティブな情報が伝わる危険性はあったが、ネットツールのためにネットいじめの情報も各学校の枠を容易に超えうるものとなり、情報の広がる範囲も格段に大きくなっていることになる。新しい問題ではあるが、この点についての対策もていねいに考えていかなければならない。

(参考)
◎浪岡中生自殺 転校検討もネット脅威で断念(東奥日報 2016/9/5)