給食費滞納、市が保護者の給与差押申立:埼玉・八潮市

 学校給食費を長期滞納している2世帯に対し、保護者の給与の差し押さえを求めて、埼玉県八潮市が4月2日付でさいたま地裁越谷支部に申し立てていたことがわかりました。

 支払い能力があるにもかかわらず長期滞納している世帯について、八潮市は「負担の公平性を維持するため」として、今回申立をおこなった世帯を含む7世帯に対して支払い督促や差し押さえ仮執行などを裁判所に申し立ててきました。3世帯は支払いに応じましたが、4世帯は支払いに応じませんでした。勤務先が判明した2世帯について今回の申立となりました。他の2世帯についても、勤務先が判明次第同様の措置をとるということです。
 給食費については、法学上・教育学上の理論では、日本国憲法における義務教育の無償の観点から給食費についても無償化されるべきという考え方もあります。しかし最高裁の判例(1964年)では、義務教育の無償の範囲は授業料の無償をさし、その他の諸経費については憲法上の無償の範疇には含まれないとされています。現行の教育行政も、最高裁の判例を踏襲して運営されています。
 理論上は給食費無償が好ましいのでしょうが、現状ではそういうシステムにはなっていません。給食費の負担を前提とする現行システムに立てば、保護者に支払い能力がある限り市の措置は間違いではないといえます。難しい問題です。