読書感想文「マニュアル」賛否が話題に

 夏休みの宿題の読書感想文に書き方の「マニュアル」を配布した学校があるとして、詳細な内容についての賛否がネット上で話題になった。朝日新聞2016年9月2日付『読書感想文マニュアル、あり?なし? 配布する小学校も』やネットメディアが取り上げている。

 堀内照文衆議院議員(共産党)が8月7日、子どもが通う小学校で読書感想文の書き方マニュアルが配られたとして、「これに従順にならえば恐ろしく画一的な感想文がいっせいに提出されることでしょう。ここに一体どんな教育的効果が?」とツイッターに書き込んだ。

 この書き込みが反響を呼んで多数リツイートされた。「マニュアルで文章の技量が鍛えられるのか」と疑問視する意見や、「自由に書けば良いと丸投げされても小学生は困惑するだけ」とマニュアルに理解を示す意見、「配布した先生のやる気を削ぐのでは」と投稿を疑問視する意見など、賛否両論が飛び交った。

 堀内氏は、教員を批判してやる気を削ぐように読めるという指摘はその通りだと考え、そのように受け取れる表現は本意ではないし軽率と判断し、数日後に当該投稿を削除した。そのうえで、当該投稿の意図について「プリントのみを頼ってみんながそれにならって書けば、同じ定型の感想文が集まる~それでいいのだろうかとの思い」「先生批判ではなく、教育のあり方一般としての疑問でした」と改めて説明した。

 学校側は朝日新聞の取材に対して「書き方の参考として配布した」「書き方がわからない子どももいる」などとした。

 専門家からも「書き方を指導していないのに感想文だけ出す学校も多い」と理解を示す意見や、「重要なのは書き方ではなく、どれだけ本音で書けるか」と懐疑的な意見と、両方の見解が出されている。

 この問題は、どちらかが正しくて他方が誤りというような性格のものではなく、両方の意見とも正しい部分があるという印象を受ける。確かに、普段から書き方の指導を十分にできていないのに、いきなり「書け」と言われても書けるようなものではない。その一方でマニュアルがあまりにも詳細すぎると、それを真似して書けと受け止められかねず、画一的な感想文になりうる懸念も出る。

 マニュアル自体を肯定するか否定するかの二者択一的な問題ではなく、中身の「程度」の問題で、その中で具体的な「許容範囲」について意見が分かれるのはありうるだろう。線引は難しい問題ではあるが、ていねいに考えていきたい。

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