教え子への性的虐待、刑事事件では無罪確定も民事訴訟では賠償責任認める:鹿児島

 ゴルフの教え子で当時高校生だった女性に対して性的虐待をおこなったとして準強姦罪で強制起訴され無罪が確定したゴルフ指導者の男性(65)=鹿児島市=に対し、被害者側が総額770万円の損害賠償を求めて起こしていた民事訴訟で、鹿児島地裁は8月2日、「女性は重大な精神的苦痛を受けた」と認定して330万円の支払いを命じる判決を出した。

 事件は2006年12月に起きた。ゴルフ指導を口実に生徒を呼び出した指導者は、生徒をホテルに連れ込み、「お前は度胸がない」「だからゴルフがうまくならない」などと説教しながら、師弟関係に乗じて抵抗できない状態にさせて性的暴行を加えたとされる。

 鹿児島地検は嫌疑不十分で不起訴処分にしたものの、その後検察審査会は2度にわたり、「師弟関係などと相まって抗拒不能の状態に置いた」などと指摘して起訴相当を議決した。指導者側は強制起訴されたが、「生徒は抵抗したり拒絶する態度を全く示さなかった」「むしろ受け入れられていると思った」などと無罪を主張し、最高裁で無罪判決が確定した。

 民事訴訟でもほぼ同様の主張をおこなったようだが、判決では「女性は精神状態が悪化し、プロになる夢も諦めざるを得なくなった」「関係悪化を懸念して抵抗できなかった」と指摘し、被害者側の主張を認めて指導者側の主張を退けた。

 刑事事件の結果は残念なことになったものの、民事訴訟では指導者の不適切行為が認定されて賠償責任が生じるとしたことは、良かったといえるだろう。指導者側は「刑事事件で無罪になったのだから自分は無実」かのように都合のいいように振る舞うのではなく、「刑事事件としては有罪を逃れただけで、生徒に対して不適切行為をおこなった」という事実を認めて、これ以上争わずに必要な措置をとるべきであろう。

(参考)
◎生徒暴行ゴルフ指導者に賠償命令 鹿児島地裁、強制起訴では無罪(共同通信 2016/8/2)

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