文科省、次期学習指導要領素案まとめ示す

 文部科学省は8月1日、中央教育審議会の特別部会に対して、2020年度より実施を計画している次期学習指導要領の素案のまとめを示した。

 主な内容としては、▼問題解決型の学習を重視する。▼小学校5・6年で英語の教科化。各学年で70単位時間(週2単位時間、1単位時間=45分)学習。現在5・6年で実施している外国語活動は3・4年に前倒し。▼高校で「地理総合」科目を新設して必修とし、環境問題など地球規模の課題や国際協力などを学習する。▼高校日本史と世界史を再編し、日本と世界の近現代史を総合的に学ぶ「歴史総合」科目を設定し、必修とする。現行の世界史は必修から外す。▼高校公民科で現代社会を廃止。主権者教育などについて学ぶ「公共」科目を新設し必修にする。――などとしている。

 現時点では大枠となる素案が示された段階で、今後詳しい内容が詰められていくと思われる。高校地歴・公民については、大学受験との関係もあって従来軽視されがちだった地理を必修にさせたり、日本史・世界史の枠を取り払って近現代史を総合的に学ぶ科目を設定したのは興味深い。

 その一方で、「公共」を必修にしている点については、詳細な内容が気になる。科目の名称からして現代社会の諸課題の解決型というよりも、政府・為政者の考えるような公共の秩序などを重視する方向に重点が置かれるのではないかと危惧している。主権者教育を学習内容に入れること自体は当然求められていることだが、現時点でも主権者教育をめぐる状況の中で、生徒の政治活動を制限したり、教職員の教育実践に「政治的」と難癖をつけて萎縮させたりするような動きも生まれている。そういう方向をさらに推し進めることをねらっているのかもしれないと、気になっている。