道徳教育の評価は記述式でと提言:文科省専門家会議

 2018年度以降に小中学校で「特別の教科」と位置づけられる道徳教育について、文部科学省の専門家会議は7月23日、成績評定は数値評価や他者との比較でおこなわず、個人がどのように受け止めて成長したかを文章で記述する「個人内評価」でおこなう報告書案を了承した。

 評価は通知表のもととなる指導要録に文章形式で記載することにした。一方で調査書(内申書)には記載せず、入試での合否判定には使用しないとする方針も打ち出した。

 この問題については、ある野党国会議員が「内申書にも反映させる方針を決めたと、文科省担当者から聞いた」と発言するネット動画が出まわり、文科省が打ち消す騒ぎもあった。

 そもそも道徳を評価すること自体が、児童・生徒を特定のねらいの型にはめていくことになる。一般の教科では、自然や社会の客観的な事実・および学問的には共通認識とされている内容をどれだけ理解したか、もしくは求められる技能をどれだけ取得できたかという観点が問われる。一方で道徳では、自然や社会の現象を踏まえたうえで、それに対して「自分はどう考え、どう判断するか」という内面の思考プロセスが問われるので、外部の状況を習得する一般の教科とは性格が違う。

 評価を実施するとなると、あらかじめ指導教員側が設定した目標にどれだけ近づけるかが問われることになり、指導教員および指導教材が求める方向へと児童・生徒の型をはめていくことは避けられない。これは、数値評価ではないから避けられるとか、調査書の評定に反映しないから避けられるとかということはなく、個人の内面を評価するという行為をおこなう限り、どのような評価方式を導入しても決して逃れられないことになる。

 道徳教育を「特別の教科」にすることも、評価の対象にすることも、根本的に間違っている。その点から問われなければならないのではないか。

(参考)
◎新教科「道徳」の評価 入試の合否判定に活用しないよう要請へ(NHKニュース 2016/7/22)
◎道徳評価は記述式で=入試には使わず-文科省会議(時事通信 2016/7/22)

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