部員に暴力強要したスポーツ少年団指導者へ有罪判決:滋賀

 滋賀県東近江市のスポーツ少年団バレーボール部で2012年、部員の当時小学校4年の女子児童に対し、別の児童に命じてたたかせるなどしてケガをさせたとして傷害罪に問われていた指導者3人に対し、大津地裁は7月20日、求刑通り女性監督(55)と男性元コーチ(40)に罰金30万円、別の男性コーチ(39)に罰金20万円の有罪判決を出した。

 指導者3人は、この児童が練習中にサーブでミスをしたとして、他の部員に対してこの児童をたたくよう命令した。当初は「顔を平手打ちしろ」と命令したが、他の部員に拒否されたとして、指導者ら3人の協議の上で「背中をたたけ」と再び強要した。さらに指導者らは、別の児童に対して「もっと本気で殴れ」などと命じていたことも判明している。

 児童は背中にケガをした。また児童は、PTSDの症状も出たという。

 指導者はいずれも「指示をしたのは事実だが、指導目的」「ケガは練習の際に生じたものではない」として無罪を主張した。指導者らは2015年7月に略式起訴されて、東近江簡裁で罰金の略式命令が出たものの、判決を不服として正式裁判に移行していた。

 判決では、児童のケガが暴行で生じたものと認定したうえで、指導者らの指示は「スポーツ指導として社会通念上、許容されているとは到底いえない」と断罪した。

 罰金刑では軽いという印象も受けるが、刑罰の軽重は別としても、指導者らの身勝手な言い分を明確に退け、指導者らの行為が社会的に通用しないものだと断罪したことは当然である。こんなものは指導でもなんでもない。虐待でありいじめ行為ではないか。

 当事者はスポーツ指導や子ども・青少年育成の場には、永久に関与すべきではない。しかし今回の事件と似たような異常な発想で異常な行為をおこなう「指導者」は、全国的にも競技の種別を問わず、毎年のように発覚している。社会的にも、こういう異常な暴力カルト的な「指導」と称する虐待行為を徹底的に排除することが必要である。

(参考)
◎部員同士に体罰指示 滋賀のスポ少バレー部監督らに有罪判決(京都新聞 2016/7/20)
◎東近江小学生スポーツチーム 暴力指示の監督らに罰金刑(毎日放送 2016/7/20)

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