保育所待機児童問題:「規制緩和」では解決に逆行

 7月14日のテレビ番組で、東京都知事選挙(7月31日投開票)候補者3氏による討論がおこなわれたとのこと。

 保育所の待機児童問題についても話題に上がった。鳥越俊太郎候補は不足する施設の整備を早急に進め、保育士給与の引き上げを図る方策を取るとした。一方で小池百合子候補は、保育所の「広さ制限を緩和し、規制を全体的に見直すべきだ」などと規制緩和・つめ込み保育容認ととれる発言をおこなったという。

 保育所の待機児童問題については、規制緩和ではどうしようもないのではないか。保育所には児童ひとりあたりの床面積基準が定められている。国の最低基準よりも余裕を持った運用で保育を実施している自治体もあるが、国基準よりも引き下げた「特例」で保育を実施しようとする自治体もある。一人あたりの床面積基準が緩和される=基準が引き下げられると、保育室の面積はそのままに受け入れ可能な児童定員が増え、同じ保育室により多くの児童を詰め込むことができるようになる。

 その結果何が起きるか。保育団体の実証実験によると、狭い空間に詰め込まれたことで接触事故などトラブルにつながる危険性がある、保育者の目が届きにくくなるなどの結果が報告されている。数時間の実証実験でもひやりとする場面が多々あったということ。こういったことが長期間にわたって続くと、事故が多発したり、身体面だけではなく心理面でも子どもの発達にも悪影響をおよぼすことは容易に予想できる。

 待機児童の解消は、規制緩和と称した対策でつめ込み保育など保育の質の低下を容認するのではなく、きっちりと予算も投入しながら、保育の質の向上と一体に取り組まなければならない。

(参考)
◎特養・保育所“整備・充実を” 鳥越候補が主張 BS番組 園児詰め込みさらに 小池候補 アベノミクスは推進 増田候補(しんぶん赤旗 2016/7/16)