おおさか維新:選挙公報でのごまかし

 7月10日投開票の参議院選挙で選挙公報が発行されている。おおさか維新の会の選挙公報がひどい。

 維新の本拠地・大阪選挙区では、4人区に2人立てている。2候補とも選挙公報で「教育無償化」を掲げているが、そこには重大なごまかしがある。

 「教育無償化」には憲法改正が必要というのがおおさか維新の会の主張だが、選挙公報ではそのことについて全く触れていない。教育無償化のために改憲という主張なのに、目玉政策を正面から打ち出さないのはおかしな話である。もっとも教育無償化については、その気になれば憲法改正を経なくても立法措置として対応が可能である。

 また維新の教育無償化の財源は「身を切る改革」。しかしこれは教員を含めた公務員を大幅に減らすことで、教育条件の悪化につながるもの。

 選挙公報では大阪での「改革」を実績にしているが、大阪府や大阪市での橋下・維新の政治のもとで何が起きたか。市立幼稚園の廃止と民間移管を図る、市立小中学校の大幅な統廃合を構想、多くの人から反対や疑問の声が寄せられたにも関わらず学校選択制を導入、冷やされた弁当形式での中学校給食で中学生から不満の声が高まる、「教育基本条例」での教職員への締め付け、3年以上定員割れの府立高校統廃合を図る、入学式や卒業式での「君が代」口元チェック、不正が疑われる手口での育鵬社教科書採択、実教出版高校日本史教科書を採択させないように教育長に申し入れる、発達障害は親の愛情不足などとする「親学」条例を検討する、府立高校の学校図書館司書や実習助手を削減する、私学助成金の削減――他にも多数あるが、こういったことが、教育や子育ての分野だけでも、おおさか維新が大阪でしてきたことである。こんなものを全国に広げられたらたまらない。

 また兵庫選挙区の候補者の選挙公報もひどい。兵庫の候補者は大阪と同じく「教育無償化」のほか、「自治体が柔軟に保育所を作れるようにし、待機児童ゼロを実現。保育の質や、保育士の労働条件も改善」とも記載している。しかし保育についても重大なごまかしがある。

 おおさか維新がいう「自治体が柔軟に保育所を作れる」というのは、特区制度による規制緩和で、同じ施設内により多くの児童を受け入れるようにできるつめ込み保育などを可能にするものである。維新の幹部でもある大阪府知事・大阪市長がそろって、規制緩和を申し入れている。また保育の専門性を軽視し、簡易な講習のみで無資格者が保育に携わることが可能になる制度なども想定している。大阪維新の大阪市議は、大阪市会で「無資格者の登用を拡大すべき」と発言している。

 維新のようなやり方では、質の悪い業者が参入したり、保育の質が低下することにもつながる。保育士の労働条件も悪化する。こういうことを「改善」ということはありえない。

 2016年2月には「保育園落ちた日本死ね」のブログが国会質問で取り上げられて、保育問題が社会問題化した。しかしそれに乗じて、保育条件の改善に見せかけながら実際には改悪を図るような政治勢力は、住民の代表としてふさわしくないのではないか。