国際児童文学館廃止問題:蔵書返還検討も

 橋下徹大阪府知事は、大阪府立国際児童文学館(大阪府吹田市・万博公園内)廃止を打ち出しています。一方で廃止反対運動もおこなわれています。

 橋下知事は府立中央図書館(東大阪市荒本)に蔵書を移すとしています。一方で国際的な児童文学・児童文化専門の資料館は大阪府のみならず日本唯一でもあることから、存続を求める声も強く出されています。

 大阪府議会では各会派とも存続や慎重な検討を求めています。自民・民主・公明・共産の4会派が超党派で紹介議員となり、「当面、現地で存続させる」ことを求める請願が全会一致で可決されています。

 反対派の児童文学研究者らが「廃止する場合は、寄贈した資料の返還を求める」と主張し、それを受けた橋下知事は「返還を検討する」などとする方針を打ち出すなど、対立は激化する一方となっています。

 橋下知事がなぜここまで廃止にこだわるのか、正直言って理解に苦しみます。

 児童文学や児童文化を専門的に研究する資料館の意義は、長期的にみれば社会や文化の発展につながっていくといえるでしょう。また「設置当時の歴史的背景に基づいて作られたが、時代の変化で歴史的役割を終えた」という性質の施設でもなく、現時点で廃止するような理由も見いだせません。逆に、児童文学や児童文化はもっと研究体制の充実が求められている分野だといえます。

 また府立図書館に機能統合するにしても、府立図書館は総合的な図書館であり、児童文学分野はどうしても他分野とのかねあいで機能縮小とならざるを得ません。

 国際児童文学館にしても、先日明らかになった府立高校の学校図書館専任司書の廃止方針(理科や家庭科の実習助手へ配置転換して、必要な場合に兼務させる方針)にしても、橋下知事には教育や文化への理解が薄いのではないかと疑問に感じます。