学校選択制:大阪市住吉区が中学校紹介冊子に進学実績一覧掲載へ

 大阪市住吉区が、学校選択制にともなって発行している区内の中学校紹介の冊子に、区内8中学校ごとに卒業生の進学先高校名と人数を一覧で掲載する方針を固めたと報じられている。

 冊子は中学校進学を控えた小学校6年生の家庭に配付され、学校選択制の選択の参考にする目的がある。大阪市では各区単位で学校選択制を導入し、具体的なシステムは区や校種によって微妙に差異があるものの、住吉区の中学校においては区内の中学校全校からの自由選択制となっている。

 大阪市教委では従来は各中学校ごとの進学先高校名や人数の公表は認めてこなかったが、学習塾が独自集計している例もあるとして、各区ごとに区長と校長が協議するなどの条件で掲載を認める方針に転換した。

 大阪市ではすでに、全国学力テストの学校平均点を公開し冊子に記載している。このことで学校選択制の選択資料の一つとして扱われる形になり、平均点を「学力のすべて」と扱う形で、区によっては平均点の高い学校に希望者が流れているとみられるような傾向もある。それに加えて進学先高校名・人数まで公開すると、受験難易度が高いといわれている高校への進学者が多いという一面的な「学力観」での序列化も加わる。

 これは、各学校へ受験対策の一面的な指導を強いることになって競争を激化させ、生徒を疲弊させることにもつながる。さらに学校の評価と校区の地域の評価が安易に結びついて地域序列化にもつながり、まちづくりの観点からも悪影響を及ぼしかねない。

(参考)
◎市立中紹介冊子に進学実績…大阪・住吉区が方針(読売新聞 2016/6/18)