主権者教育「十分」とする教育委員会62%:NHK調査

 NHKが全国の都道府県・政令指定都市の教育委員会を対象に、主権者教育の取り組みについて取材したところ、主権者教育が十分おこなわれていると考えている教育委員会が62%にのぼることがわかった。「十分ではないと思う」としたのは29%。

 主権者教育の実施にあたって課題に感じていることは何かという設問(複数回答)には、「十分な指導を行う時間がない」(42%)、「政治的中立性を確保するのが難しい」(36%)、「指導方法が確立されていない」(33%)などとなった。

 6月19日付で施行される改正公職選挙法に伴う18歳選挙権の導入。この法律施行後に初めて告示される国政選挙以降から適用され、6月22日告示・7月10日投票の参議院議員選挙、および22日以降に告示される地方議会議員選挙や首長選挙より適用されることになる。

 18歳選挙権の導入にともなって主権者教育の重要性がいわれ、文科省なども含めて取り組みを推進している。

 その一方で文科省は、主権者教育の推進とも一体の高校生の政治活動について、「解禁」するとはしたものの実質的には引き続いての規制も可能とするような通知を出している。一部では高校生の校外での政治活動が学校への届出制になったり、休み時間に同級生と政治の話をしていたところ「その話は政治的だからやめるように」と注意されたという高校生の事例が報告されている。

 また、外部の勢力が、意に沿わないとみなした教育実践に「政治的」と圧力をかける例も続発している。山口県立高校で「現代社会」の授業で安保法制を題材にしたところ、山口県議会での議会質問で「政治的」と難癖をつけられて吊るしあげられる事例があった。また宮城県立高校では、社会科学部が安保法についてアンケート調査をおこなって発表しようとしたら、外部から抗議があったとして学校側が展示中止を指示し、発表断念に追い込まれた事例も発生している。

http://kyouikublog.wpblog.jp/post-7857.html
http://kyouikublog.wpblog.jp/post-9082.html

 これらの事例が起きている以上、主権者教育については現状では必ずしも十分とはいえないのではないかという印象を受ける。

 主権者教育をすすめるにあたっては、主権者教育そのものの発展・深化とともに、授業実践や高校生の自主的活動に対して圧力をかける動きや圧力を容認する風潮をなくしていく取り組みも同時に必要になってくる。

(参考)
◎18歳選挙権 主権者教育「十分だと思う」は62%(NHKニュース 2016/6/19)