大阪市教科書展示会不正アンケート疑惑、市民団体が大阪市と交渉

 大阪市の2015年中学校教科書採択での教科書アンケート不正疑惑について、「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会」が6月13日に大阪市との交渉をおこなった。その報告が同会のブログに掲載されている。

 この問題は、住宅販売会社「フジ住宅」が教科書展示会に組織的に動員し、展示会会場に設置されたアンケートに育鵬社を支持する同一・酷似文面の内容を大量に投函させた疑惑である。育鵬社からフジ住宅に「アンケート結果が採択を左右する」などと連絡があったことも判明している。

 「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会」は、大阪市会教育こども委員会で「第三者委員会での調査を求める陳情書」が採択されたことを受け、第三者委員会を公開で開催すること、第三者委員会でフジ住宅や育鵬社担当者を調査対象にすることなどを求めた。

 また大阪市教委のこれまでの調査状況についても、市教委担当者より説明がされた。

 大阪市教委は2016年4月25日、中学校教育担当主任指導主事・H氏が育鵬社へ電話をかけ、聴き取りをおこなっている。しかし主任指導主事は、電話に出た担当者の所属を聞かず、また担当者の発言が市会委員会で明らかになった資料の内容と矛盾していたことを認識していながらその点を深く質問しなかった。この点について「会」が追及すると、H主任指導主事は「いい加減な聞き取りだった」と認めたという。

 また教科書アンケートの集計についても説明がされた。前述のH主任指導主事を責任者とした中学校教育担当指導主事5人で集計を担当した。H主任指導主事はアンケート文面について「似ていると思ったが、組織的動員の可能性は思いもよらなかった」とした。またH氏はアンケートの一部にしか目を通していなった。集計を担当した一人が、似ているものが多いことに気づいてH氏に相談すると、H氏はそのまま1票として集計するように指示した。育鵬社の賛否の集約は、H氏主導で行われたことが明らかにされたという。

 フジ住宅への調査については、大阪市教委では今のところ実施していないと回答があった。

 アンケート集計も、事件発覚後の調査も、極めてずさんだったことがうかがえるものとなっている。第三者委員会による徹底的な再調査が必要な案件だといえる。