児童虐待早期発見・早期対応に向けた教職員向け教材作成:文部科学省

 文部科学省はこのほど、児童虐待を早期に発見するため、学校の教職員向けの教材を作成しました。

 教職員は学校で児童・生徒の異変に気付きやすい立場にあることから、異変に気付いた際に的確な対応をとれるようにするため、正確な知識を身につけさせたいというねらいがあるということです。教材はCD-ROMの形で作成し、都道府県を通じて3月末までに各学校に配布します。
 『読売新聞』2009年2月20日付記事『児童虐待 先生向けマニュアル…文科省作成』によると、教材内容は以下のようになっています。

 教材は、児童虐待に関する基礎知識を紹介する「基礎編」と、虐待がありそうだと思った場合にどんな行動を取るべきかを示す「実践編」から成る。
 基礎編では、虐待を受けた子供が学校でとる行動の特徴として、〈1〉教職員らに極端に甘え、ささいなことで攻撃的になる〈2〉暴行や暴言など家庭で親に受けたのと同じ行為を同級生に行う〈3〉落ち着いて物事を考えられず学習内容が定着しない〈4〉万引きや火遊びを何度も繰り返す――などを例示。教職員がこうした行為を見かけて「不自然だ」などと感じた場合には、そのままにせず継続的に観察するようアドバイスしている。
 実践編では、学校に虐待を疑われる子供がいた場合、たとえ確証がなくても、疑いがあれば児童相談所へ相談するよう求めている。子供に事情を聞く際には、「お母さんがたたいたんでしょ」といった誘導的な質問や、「答えてくれるまで教室に帰さない」といったきつい言葉を使わないよう例示した。
 また、1人の教師が問題を抱え込んでしまうと判断ミスや思い込みにつながりやすいので、養護教諭やスクールカウンセラーもまじえて学校全体で対応することの重要性を強調。実際に虐待が判明した児童に対しては、「学校が安全な場所と感じられるように接する」とした。

 児童相談所が受理した児童虐待の相談件数は年々増加しています。また学校側が虐待の兆候を発見して児童相談所に通報するケースも増加しています。また、学校でのいじめや校内暴力の背景に児童虐待があるという指摘もされています。
 児童虐待は子どもの発達・成長にも心理的悪影響を与えるものであり、また学校での問題行動や次世代への連鎖など負の影響も指摘されています。早期発見と早期対応が求められているのはいうまでもありませんし、積極的な対応が求められていると言えます。
 また同時に、いわゆる「体罰」をはじめ、指導と称した暴力行為や暴言・精神的圧迫など、学校での児童虐待・教師による児童虐待と言い換えてもおかしくないような行為についても、各地の学校で蔓延していることがあります。こういった行為についても徹底的に根絶されなければなりません。

スポンサードリンク