主権者教育で高校教員にアンケート:「政治的中立」に不安

 毎日新聞が全国の高校教員100人を対象に主権者教育についてアンケート取材したところ、主権者教育の担い手になることは前向きに受け止めているとする一方で、「政治的中立」には不安・戸惑いがあるという教員が多数いたことがわかった。

 毎日新聞2016年6月9日付『主権者教育 「政治的中立」確保に苦慮…高校教員100人』が結果を紹介している。

 調査委は2016年5月から6月上旬にかけて実施された。内訳は、性別は男性59人・女性48人、年代別では20代13人・30代19人・40代32人・50代34人・60代2人、勤務先では公立81人・私立19人となった。

 主権者教育の担い手になることについては58人が「前向きに受け止めている」とした一方で、「政治的中立を確保できるかどうか、不安や戸惑いを感じることがあるか」とする設問には64人が「感じている」と答えた。また自民党などが「政治的中立」からの逸脱に罰則を課そうとしていることに対しては、67人が「反対」と回答した。

 自由記述欄では「完璧に政治的中立を確保して授業をしたとしても、中立でないととらえる地域の人や保護者がいるかもしれない。そういう指摘を受けた場合、教員の立場は弱い」「生徒に『先生はどう考えるの』と聞かれた時に何をどこまで答えていいのか。自分の考えを言わない大人を生徒がどう思うだろうかと考えると、何が最も教育的と言えるのか悩んでしまう」などの不安も記述されていた。

今の政府だと、政府の考えが政治的中立だと言いかねない。こんな状況で罰則を科せられれば、自由な教育はできない」と記載した声も紹介されている。

 文部科学省が「主権者教育」を打ち出す一方で、文科省や一部教育委員会・一部政党などが、「政治的中立」を都合よく解釈して、自分たちの意に沿わないとみなしたものには「政治的中立から逸脱」と難癖をつけて、教師の教育活動を狭めようとしていると受け取れる動きをしていることが、教師を萎縮させる形になっているという印象を受ける。

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 自分にとって気に入らないから「中立ではない」と主観的なすり替えをおこなって難癖をつけて相手を黙らせようとする動きには、十分に警戒しなければいけないし、そういう動きができないような世論を広めていかなければならない。主権者教育を本当の意味で発展させるには、学校内の自主的・主体的な教育実践を広げていくことはもちろんだが、それにとどまらず、社会的にも学校の教育実践を応援するような風潮を作らなければいけないと感じる。